Controlled Chaosを維持するために
2007-05-21 00:00
Googleとはてなについて調べるたびに嘆息することが多い。彼らに共通するのは以下の認識だ。
――あなたの役職で難しいことは何でしょうか。企業の超高成長率とも関係するかも知れませんが。
もっとも難しいことの1つは、われわれがGoogle的な従業員に備えて欲しい資質を持った人材を雇用するよう務めることだと思います。Google的というのは、非常に柔軟性、適用性があり、肩書きや階層構造には拘らず、とにかく仕事を片付けることです。
グーグル文化の担い手S・サリバン氏の仕事 - CNET Japanグーグル文化の担い手S・サリバン氏の仕事 - CNET Japan
採用。これがキーでありこれなしには何も起こせない。創造的でありながら企業の目的に合致し、自由に振舞わせながらそれを収益に結びつける。これを仮にControlled Chaosと呼ぶとすれば、それを実現する唯一の方法は、Controlled Chaosという言葉の意味を理解し、それを実施できる人間を集めることなのだ。
しかし私が知る限り信じられないほど多くの企業が、たとえばGoogleの
「20%の時間は本来の業務以外のことを行う」
といった形式だけをコピーし、それで
「どうして、新しいものを生み出さないんだ!」
と社員を怒鳴りつけている。
では次の質問
「Controlled Chaosを理解し、それを実践できる人間を採用するにはどうすればよいか?」
答え:前述の記事にあるとおり、専門の役職を作りそれについて担当させるのもいいことだろう。しかしより重要なことは
「Controlled Chaosを理解し、それを実践できる人間に、採用における重要な役割を担わせること」
私も年をとり、採用する側に関与するようになり、その「基準」にあきれたことが何度もある。人は自分の立場から見たものだけで判断を行う。Controlled Chaosの何たるかを体感していない人間に、中身のないハッタリ屋と優秀なエンジニアは区別できないのだ。