耳を傾けること、傾けないこと
2007-09-05 00:00
ものをつくる以上、わがままだったり、
エゴが強かったりするのは当然のことです。
ただ、宮本さんの特殊なところは
自分のこだわるところでは、
めちゃめちゃわがままである一方、
はじめてそれを触る人がどう感じるか、
ということをものすごく冷静に見ていて、
「お客さんに伝わっていない」とわかったら
さっと引いて、別の考えをめぐらせるんです。
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最近学会とかでの発表を聞いていても思うのだが
質疑応答での指摘に対してまったく「馬耳東風」といった態度で臨む人はそうでない人にくらべはるかに多い。
それが自分が検討し、却下した案であれば、その理由を理解してもらえるように述べればよい。
それが自分が考えていなかった点であれば、礼をいって考察に取り入れればよい。
それがまったく的外れな点であれば、その旨意見を述べればよい。
しかしそうでない人のいかに多いことか。
「自分はこう思う」というエゴと「人はそれに対してそう反応する」という現実を見据える勇気。これを両立させるのは一見矛盾しているようだが、えてして偉大な考え方、仕事のやり方というのは矛盾したところから生まれてくるのだ。
この「強い信念」と「現実を客観的に見る勇気」の両立、というのはあちこちで出くわすことのように思う。いつか書いたエントリーもそうだけどね。
願わくば私もそうした矛盾した要素のバランスを取りつつ歩くことの人間でありたい。