今明らかになるmixiの正体(うそ)

2008-03-05 00:00



年をとることは一般的にあまり愉快なことではないが、メリットもある。若い者が「これはどうしたことか」とうろたえているとき、陰で一人「ああ、またあの話か」とつぶやく事が出来る点だ。というわけで少し昔話をしよう。


Niftyserveという「パソコン通信」が盛んだったころの話だ。誰もが読み書きできる掲示板に概略


「女の子です。Hなメール頂戴!」


とかいう書き込がなされた。仮にその書き手の名前を「A子」としておこう。(ログが見つからないためうろ覚え)


その数日後のことである。「A子」からまたもや掲示板に書き込みがあった。


「A子でーす。たくさんのHなメールありがとう!とってもうれしかったので公開しちゃいます!」


という言葉とともに、「彼女」に送られたHなメールはNiftyのIDとともに公開されてしまった。当時は「見ず知らずの相手でも通信の秘密を守ってくれる。」と思うほど純朴な人がたくさんいたのだ。しかし本来公開する物ではないメールを名前とも言うべきIDつきで公開されてしまった精神的ダメージはどれほどのものだっただろう。何?もちろん僕はHなメールなんか出してませんよ。失礼な。


さて、時は流れて21世紀。親愛なるmixiである。先日このようなアナウンスがなされた



来たる2008年4月1日(火)に、mixi利用規約の全面改定、mixi動画利用規約の一部改定、有料サービス利用規約の新設を予定しております。


新たに施行される各利用規約につきましては、こちら よりご確認くださいますようお願いいたします。



そこからリンクをたどってみれば、何の説明もなしに楽しい言葉がならんでいる。



第18条 日記等の情報の使用許諾等


1 本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。


2 ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。


附則


1 本利用規約は平成20年4月1日から施行します。


2 本利用規約の施行前にユーザーによって行われた行為についても本利用規約が適用されます。



これは法律的にどうだとか、「まさかこんなことはしないだろう」とかmixiの「説明」とかそういう難しい話は無しで、私のような素人がこの規約を解釈するとこうなる。



かくして2008年4月1日にmixiはSNSを閉鎖。社名を「mixi出版」に変更しやつぎばやに新刊を出すのだった。



そして裏表紙にはこの写真が使われる。


f:id:grgr56:20080305070047j:image


おわかりだろうか?mixiとはつまるところ壮大な釣り、21世紀版の「A子」だったのだ。


「これはmixi設立当初からあらかじめ予定されていたことなんだよ!」


「なっなんだってー!?」(AA省略)


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少しだけまじめに書くと


各種メディアでmixiが「説明」しているように「厳密に著作権法を適用した場合に、ユーザーに無断で行うと法に抵触しかねないデータの複製や改変について、規約で改めて規定した」ということであるならば、最初からそう記載しておくべきだ。そうしておけばこんな大騒ぎにもならないものを。


騒ぎになったあとではmixiの「説明」をはいそうですか、と聞くわけにはいかない。「説明」と「規約」があれば「規約」が優先するに決まっている。「規約」が「説明」に一致しない限り納得はできない。


仮にmixiの「説明」が正しかったとしても、こういう「誤解を招きがちな」条項を何の説明もなしに一方的にアナウンスするmixiという会社を私は信用しない。というわけで退会ボタンを押した。mixiも金にならない無料会員は止めてもらった方がありがたいだろうし。そうか


「金も払わない。広告もクリックしない不良会員の一掃こそがmixiの目的だったんだよ!」


「なっなんだってー!?」(AA省略)