私にとってのニコニコ動画

2008-03-12 00:00



人の趣味というのはとても様々である。であるから、見る分野によって全く印象が変わるのかもしれないが、私にとってのニコニコ動画についてちょっと書く。


最近「歌ってみた」を二つほど登録した。こうした「匿名コメントが飛び交う場」というのは何かと「恐ろしい場所」とされることが多い。やれ炎上した、やれ逮捕者が出た、etc..である。


しかし私が主に見ている「歌ってみた」「音楽」などのタグで分類される動画に関して言えば、そこには(あるいは最初身構えているせいかもしれないが)驚くほどの「やさしさ」がある。


人前で歌ったことは何度かるが、一度も「上手ですね」と言われたことはない。「あまり上手じゃないけど、歌が好きな気持ちが伝わってきました」というのは今までもらった一番よいコメントである。


ではニコニコ動画でどのようなコメントがつくか。もちろん数は多くない。しかしそのほとんどは


「一生懸命さがつたわる」


「しみるなあ」


「これはありだな」


などの好意的なコメントだった。これには正直驚いた。


もちろんそれは「マイナーゆえ」ということもあるに違いない。突発的な「炎上」を除けば、アンチはメジャーなものにしか発生しないのだ。マイナーなサイトを長年作っているからこれには自信がある。


他にも3DCGをはじめて作ってみた、という作者によせられたコメントは、親切に改善点を指摘するものだった。(この動画の場合、それを取り入れ着実に成長していった作者もすごいと思うが)


とういわけで、この「ニコニコ動画」が提供しているユーザ間のコミュニケーションというのは実に興味深いと思う。アップロードされた作品は、共通の話題となる種のようなものだ。そこを軸、共通要素としていろいろな人のコメントが飛び交う。そこには


「自分を表現したい」「新しい物、よいものを作りたい」


という気持ちが共通している。そうした気持ちを共有した上での会話は決して不快なものではない。*1


そうした気持ちを代表しているのが、「神ツール」を無料で提供した樋口優氏のコメントだろう。


ソフトは有償化する予定はなく、寄付を受け付けるつもりもない。「開発に使ったソフトも全部無料だし、3Dモデルも無料で公開してくれたから制作できたソフト。Blenderも無料なのにMikuMikuでお金を取ろうなんて100年早いと思う」

「神ツール」――初音ミク踊らせるソフト「MikuMikuDance」大人気 - ITmedia News「神ツール」――初音ミク踊らせるソフト「MikuMikuDance」大人気 - ITmedia News


そんなことを考えている私が最近お気に入りなのはこの動画


<script type="text/javascript" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb_watch/sm2500972" charset="utf-8"></script>


D


自分が作ったものは人に見てもらいたい。


「努力以外に何ができる?」


「やるしか無いだろ?」


まさに正論。




*1:会社でよく出会う「人の粗を探して給料をもらっている人たち」はそもそもニコニコ動画なんかみないのだろうか。あるいはTBS的な扱いですませてしまうとか。