音楽会議3 sponsored by YAMAHAに出席するよ
2008-04-02 00:00
というわけで百式さん主催の音楽会議3 sponsored by YAMAHAに出席します。
さて、Vocaloidについてはいろいろと書きたいことがあるし、今までにも書いている。本日は「音楽会議に出席するにあたって私が考えていること」をば。
去年のことであったが、某学会の研究会に出席した。そのときYAMAHAの人がVocaloidについて発表した。うろ覚えではあるが発表した内容にこんなことが含まれていたと思う。
- まだプロに使ってもらえるものにはなっていない。「このソフトの使い方を覚えるより、誰か雇ったほうが早くてやすい」といわれる。
- そうした問題を克服する一つの方法として、「合唱」をさせることを試みている。(人をたくさんやとうよりは、ソフトを使ったほうが安い、ということを目指しているのだろう)
企業で働いているものとして、こうしたコメントが寄せられる背景ならびに、「解決策」はとても「実感」できるものである。費用対効果を問われることは多いし、それを合理的に考えようとすれば確かにこれは一つの方向性であろう。
しかし
「ニコニコ動画」という場を得てVocaloidが普及した結果、全く「あさっての方向」への進化が起こった。
確かに現状のVocaloidを人間のように歌わせようとすると手間がかかる。しかしそれゆえの「神調教」が生まれた。また歌詞を聞き取ることもできないので、コメントとして字幕を付与する「字幕職人」が生まれた。
また(私の考えでは)Vocaloidであればこそ「上手く歌える」曲もいくつか登場した。具体的には以下の二つ。
<script type="text/javascript" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb_watch/sm2397344" charset="utf-8"></script>
<script type="text/javascript" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb_watch/sm2053548" charset="utf-8"></script>
なぜこれを「Vocaloidならでは」と考えるか?
これらの曲を「人間が歌いました」という曲がいくつかアップロードされている。それらの多くが「声に感情を込めすぎている」ように思うのだ(*1)特に「サイハテ」について言えば、全く感情のこもらないカラリとしたVolcaloidの声だからこそ成立した「ポップなレクイエム」だと思う。
かくのごとく「プロには使ってもらえない」ソフトウェアが、インターネットを通じて多くの人に触れた結果おそらくは誰も予想していなかった明後日の方向への進化が起きた。私はこうした思いもかけない変化を見るのが好きだ。かくして今でも時間があれば、ニコニコ動画にアクセスし、「何か面白いことが起こっていないか」とあちこちを見続けるのだ。
と書いていて以前の音楽会議についてかかれたブログを見て知ったのだが。。
YAMAHAもMy Soundなる「音楽配信+コミュニティ」サイトを作っていたのだね。ブックマーク、リコメンド、購入サポート等々、機能もいたれりつくせりだ。なのに何故ニコニコ動画ばかりが栄えるのか。違法コンテンツ云々だけではないような気もする。かくのごとくWebのサービスは理屈どおりに行かないところが難しくかつ(野次馬としては)興味深い。