『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』に出席したよ
2008-04-05 00:00
というわけで音楽会議3sponsored byYAMAHAにいってきた。
さて、今回のお題は「一見音とは関係なさそうな( )を演奏可能とする」とかなんとかそういうもの。6名のグループで一つの結論をだすものと、個人のアイディア、両方とも3位まで表彰された。
その個人賞を聞いていて私は深い憂鬱に沈んだ。3位のアイディアで音楽を奏でるのは「お箸」2位は「怒り」1位は「金融資産」だった。
私が考えたアイディアは
「その人の周りの風景の写真を変換した音楽でゆるくつながる人の輪」
この凡庸さ。私に考えつくのはこんなことか。
今回は各グループに一人づつくらいの割合でYAMAHAの社員が入っていた。とういことは相当の数の社員が参加していたということだ。
私がこれまでに勤務した会社は間違ってもこうしたイベントを主催しそうにないし、何かの間違いで主催したとしても集まったアイディアを
「あ、ファイルしといて」
と言っておしまいにするような会社だ。。。と会社の事をのろっている間に私は先人の知恵に学ぶべきだったのだ。
「人を呪わば穴二つ」
会社を呪っている間に私も「凡庸でつまらない」穴にしっかり落ちていたのだ。
個人賞を選ぶにあたり「圧倒的に多かったのは写真を使った物でした。ですから写真以外から選びました」といっていた。確かにそうだ。このご時世、写真を使う事など一番「誰もが考えそうなこと」ではないか。
というわけで今回の一番の収穫はこの深い自己嫌悪である。しかしこのブログを読んでくれている人にとっては、私の自己嫌悪などどうでもいいことだろう。
であるから私は心に棚*1を作り、勝手に思った事をかかねばならない。
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私は今回を含め3回ほどYAMAHAの社員がプレゼンテーションするのを聞いた事がある。たった3回で結論を出すのは強引だと自覚しながらもこう思わざるを得ない。
YAMAHAの人たちは本当に音楽が好きで(私が聞いたのは全部音楽関係のプレゼンだったから)YAMAHAという会社が好きなのだな、と。
いや、そもそもそう思っている人間しか人前でプレゼンしないだろう、という意見もあろう。しかしこれで3回目の○○会議だが、振り返ってみればやはり会社によってカラーの違いというのはあるように思うのだ。
さて話が難しいのは。
その「真面目さ。音作りへの誇り」がうまく働く場合とそうでない場合があるように思える事だ。
今回の目玉は「ボーカロイドとボコーダーのオンラインサービス」だった。従来67万円以上かかっていたボコーダーの機能がオンラインで使えるというのは確かに「すごい」ことなのだろう。
しかしそれをどう使ったらいいのだろう?ここで当日ならった「ボコーダーができること」をあげると。
- 音程まったく変えずに歌った声でも、ボコーダーをかますとちゃんとした曲に併せた声になるよ
- 一つの声だけ録音してもボコーダーをかますとハモリの声になるよ
私はとっても発想が貧困な人なので、隣に座った人に「あれどうやって使いますかね」と聞いた。すると
- 例えば福田首相の演説を、メロディにあわせて歌わせる人がでてくるかもしれない
- 個人で録音して音の厚みを出す事は難しいが、あれがあれば一発で厚い音がつくれる
なるほど。。しかし私が使うためにはもう少し想像力が必要なようだ。
Vocaloidのオンラインサービスも少し位置づけが難しいのかもしれない。結局多くの支持を集めるのは「調教」*2を極限までした曲。ただ「Vocaloidに歌わせてみました」というだけでは誰も聞いてくれない。
しかしOnlineで調教を極限までやるのは難しかろう。となるとこれは誰のためのものなのか。全くの直感だが、ユーザにとって不自由なところ、自由なところをもう少し動かした方がいいのだろうか。「みんなに音楽を楽しんでもらいたい」という情熱は痛いほど伝わってきた。しかしVocaloidの普及に初音ミクとニコニコ動画というYAMAHA以外の力が必要だったように、こうしたサービスを広く普及させるためには「真面目な音作り」の情熱とはちょっとずれたものが必要なのかもしれぬ。
いや、少し前に悟った事を思い出すべきだ。私の想像力がこの世の中の限界ではない。だいたい初音ミクのニュースを最初に観たときだって「このヲタ向けソフトは。。」と思ったではないか。
こうしたサービスを公開することにより、また明後日の方向へ進化が起こるかもしれないではないか。そのためにこうしたサービスを開発し、公開に向けて動くというのは素晴らしい事だ。
音作りへの真面目さを保ちながら、こうしたイベントを3回も主催し、広くアイディアを、ユーザの声を聞こうとしている。かつ社員も多数参加させているその姿勢には素直に頭が下がる。「素人に音作りの何がわかる」なんて態度は(きっと社内にそういう声もあるとは思うのだが)参加していたYAMAHAの社員の方からは微塵も感じられなかった。
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あとは思いついたことをat random に。
- Online Vocaloidのデモを行う際、選曲にはとても苦労したとの事。これだけの参加者が「をを、これが」と思えるような曲でなければならない。そのためにカラオケボックスの履歴をたくさんチェックしたとの事。
- 全体の運営は今回も見事。私が参加した前2回に比べ参加人数が多かったのだが、それに対応して、グループ分けもスタッフが手分けして行うなど工夫がなされていた。一点だけ気がついたのだが、後半は「15分個人でアイディアだし、そのあと20分グループ会議」となっている。その時間を示すのにいつもWindowsのコントロールパネルにある時間設定をプロジェクタだ表示している。あそこでアナログ時計を表示するフリーソフト(きっとたくさんあるのだろう)を使ってもバチはあたらないのではないか。いや、他の運営がよく考えられているだけにあそこだけちょっと気になる。
- 来ている人たちからはどことなく「音楽」の雰囲気が感じられた。ブロガー主体の前2回の会議とは少し雰囲気が違うのが面白い。グループ内であれこれ雑談したのだが、みんな語る語る。おそらく私がいたグループで私が一番の「音楽に関しての素人」だっただろう。となると今回の会議では主に「音楽に関して声の大きい人」の声が聞けたのではないかと思う。もう少し関心の薄い人たちの声を聞くにはどんなイベントが必要なのかな。
- というかこういうイベントに参加すると思うのだが、私は人の話を聞いてから自分の意見をいうまでの間隔が長いのかもしれない。なかなか発言のきっかけがつかめない。要するに「グズ」ということか。
- 百式の管理人氏はおそらく空手を習っているのであろう。締めの挨拶のところどころに「押忍」のポーズが混じる。
今まで見つけた他の参加者のブログ(随時追加予定)
『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』へ参加してきました (オンライン版初音ミクのデモ等々)
出た!イベント「音楽会議3」にて「On-line VOCALOID」が登場!
音楽会議3(http://i-ro-ha.vox.com/library/post/音楽会議3.html)
『音楽会議3 sponsored by YAMAHA』に参加しました。