今朝拾った自然石
2008-04-07 00:00
字幕つきバージョンで少しずつ聞き進めているランディ・パウシュ教授の最終講義。メモしたくなる事柄は多いが、今朝心に残ったのはこのフレーズ。
"Experience is what you get when you didn't get what you wanted"
パウシュ教授の子供のころの夢No.2はNFL(米国のプロフットボールリーグ)でプレーすることだった。子供のころはいったチームで一番からだが小さかった彼は結局NFLでプレーすることはなかった。
しかしそこから彼はExperience-経験を得た。それゆえ
"But football got me where I am today"
ということができたのだ。
自分を振り返れば、成功、順調なときに得るものは本当に少ない。それどこから自分の鼻が知らぬ間に高くなってとってもいやなやつになっていることが多い。
「すっこん」と転んだとき、痛むひざの傷を見ながらふと回りを見回す。すると世の中のことがもっとよく見えるような気がする。自分が走っているときには全く気が付かなかった「転んだ人」がたくさんいることに気が付く。「成功は俺の努力のせいさ」とか思っていたことが、ぜんぜんそうではなかったことに気が付く(こともある)。自分のおろかさを省みて、へそをかむ様な思いをすることもある。自分がどうするべきか立ち止まって(転んだからしばらくは歩けない)考えることにもなる。それをExperienceと呼ぼうか。
ちなみにパウシュ教授の前にスピーチをした人のDark Humorにも感服した。
「君は死んじゃいけないよ。だって僕の友達の平均IQが50は下がるじゃないか」
「そうだな。君にもっと賢い友人を紹介しなくちゃ」
というわけで(聴衆に向かって)皆さんはカーネギーメロンにいるから賢いわけだ。僕はホールの隅にいるから友達になりたい人は来てね。
(全て意訳)
仮に日本でこういう「最終講義」をやったときのことを考えてごらんなさいな。とにかく叫ぶでしょ、泣くでしょ?このDark Humorの後に続く言葉を聴くとパウシュ教授に対する友情、愛情があふれていることがわかる。でも彼は叫びも泣きもしない。
「邦画」の多くがキーキー泣きながらも観客に何の感動も与えず、「洋画」のいくつかは泣かなくても人に感動を与える、と私は思っているがそれはこんな「普通の人」のレベルからしてぜんぜん違うところに起因しているのかな、、と考えたりする。