映画評-ハプニング-The Happening

2008-08-04 00:00


本家より転載+ちょっと加筆


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Q:この映画をみるべきでしょうか?


A:時間と金を使って不愉快かつチープな映像を見たいというなら止めません。そうでなければ見ない方が賢明です。


Q:とはいってももう見始めてしまいました。途中退場したいのですが、映画の結末がどうなるか気になります。


A:迷わず退場しましょう。終わりまで見ても何もわからないし、楽しくもありません。同じ調子で不愉快な映像が続くだけです。


Q:なぜシャマラン映画が公開され続けるのでしょう?


A:謎です。おそらく映画会社とシャマランの間で「X本の映画を作成し、公開する事。どちらの側からもキャンセル不可(ただし興行収入がY$を超える限りにおいて)」という契約をしたのではないでしょうか。


とはいうものの、シャマランはもう映画を作りたくないのだと思います。そのため前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」では話の筋をめちゃくちゃにしました。観客に「もうこないでくれ」と言いたいがために。


そ れでもまだ自分の映画をみる人間がいる。どうしよう、というわけで作ったのがこの映画。映像からは「観ている人間を不愉快にしよう」という声が聞こえ てくるようです。


ある日突然人々が謎の行動をとったあげく自殺する。その死ぬシーンを不必要にグロテスクに、何度も何度もしつこく映し出します。ではなぜ人々がそんな行動をとるかは結局最後までわか りません。暗示された答えは


「植物さんは意思をもってるんだよ」


「人間は地球環境を破壊しているよね」


というよくきくお話。得意の


「ドラマチック(と監督が判断したシーン)ではスローモーション」


も使ってますが、あのシーンをドラマティックと思う人はあまりいないと思います。アメリカで、人の家の扉をひたすら蹴っていたら、吹っ飛ばされても文句は言えんわな。


と いうわけで監督の意図は明瞭(多分)なのですが、気の毒なのは出演させられた役者さん達です。ちょっと情緒不安定気味な奥さんはまあ好演と思いますが、主 人公の男性は間抜けな台詞&顔アップの連続。まあ脚本が脚本だからどんなに演技力があっても間抜け顔に見えてしまうのですが。


とまあこれ以上なにか書く気も起こらないような映画ですが、一番愚かなのは米国での評判最悪、という事実を知りながら観た私というのは確かです。


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いや、本当にシャマラン映画が公開され続ける理由を誰か教えてくれないだろうか。そんなにいやなら作らなければいいと思うのだが。