すごくがんばったのはわかるが。。
2008-10-09 00:00
ニコンは10月7日、ヘッドフォンとウェアラブルディスプレイ、携帯プレーヤーなどが一体化した新製品「UP」(ユー・ピー)を発表した。米Appleの「iTunes+iPod」のように、ハードとソフト、コンテンツを組み合わせた事業モデルを描き、「ネット時代のニコン」の新しいイメージを構築する構えだ。
「ネット時代のニコン」へ ウェアラブル端末「UP」に映像配信 - ITmedia News
こういうものがでてくれないかと願ってはいた。私は皆がうつむき加減になり、親指をせわしなく動かしている姿が嫌いだ。ではどうする?少なくとも見る部分はHMDにできるのではないだろうか。
そこでHMDである。使ってみるとわかるが、あれは一見かっこいいがケーブルがどうしようもなく鬱陶しい。ケーブルをなくすことはできないか?
そう考えれば今回の製品はそこらへんをちゃんとクリアしていることがわかる。すべては頭の上に乗っかっているのだ。あとこれだと人に見られて恥ずかしいコンテンツも街中で見放題だ。いや、私が行っているのは初値ミクのPVのことですよ。
しかーし
Internet Explorer 6.0相当のWebブラウザを搭載し、ネット閲覧も可能だ。
実際にそのインタフェースに触れてみないとわからないが、これには疑問符が付く。ブラウザ搭載しただけでは「ネット閲覧は可能」だろうが誰もやりはしないのだ。今までと機器の形をまったく変えるのなら、その操作インタフェースも新しくしなくちゃ。満足なインタフェースが提供できないなら、割り切らなくちゃ。すっぱりと落とすのだ。
かといって
上位版はモーションセンサーを内蔵し、頭を上下左右に動かすことで音量コントロールなどが行える。
も使ってみないとわからないが、ちゃんと作らないととても鬱陶しい、カタログ上だけの機能になってしまうよ、と他人事ながら危惧する。
もうひとつ議論があっただろうと思うことは、ハード、ソフト、コンテンツすべてを自前で供給しようとしている点だ。
これをやりたい気持ちはとてもよくわかる。ハードだけ供給していても未来はない。特にコンテンツ、それにその流通を押さえなくてはだめなのだ。。
しかーし
ニコンという会社にそれを行うだけの力はあるのだろうか?いやAppleがオンラインの音楽ストアを開くと聞いた時も「なんのことだ」と思ったことを思い返せば、2年後には
「大変失礼いたしました」
となっているかもしれない。
しかし今の「予想」はこうだ。ニコンがこのような勇気あるチャレンジをしたことは賞賛に値する。しかしこれから試されるのはそれが
「やりたいこと、できることを並べてみました」
ではなく
「本気で素晴らしいものを作りました」
と言い切れるだけの覚悟を持って作られたサービスか否かという点だと。