映画評:デスレース -Death Race
2008-12-02 00:00
例によってネタのない日は本家から改変しつつ転載
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B級映画だろうと思って見に行った。そしてそのすがすがしいまでのB級っぷりにご機嫌になって映画館を後にした。
この映画の設定では米国の経済が崩壊するのは2012年なのだそうな(現実はそれより厳しいかもしれないが)いずれにせよ刑務所は民間企業の経営となり、受刑者が競う「デスレース」のペイ・パー・ビューを売る事で収益を上げるわけだ。
たくさんの人に買ってもらうためにはスターが必要。というわけで元優れたドライバーである主人公は、死んだスターになりすましレースに出場させられる。いや、ちょっとまて。誰が主人公に殺人の濡れ衣をかぶせたのだ、、といった事情が判明しようと主人公は走るしかない。建前としては「5回優勝すれば晴れて出所」なのだが、視聴率のためにスターを必要としている刑務所側がそう簡単に釈放してくれるわけもない。さてどうしましょう。
Yahoo映画でこの映画のキャストを観ると、写真が載っていない人ばかり。私が唯一認識できたのは、ジェイソン・ボーンシリーズで切れる女の人をやっていたジョーン・アレンだけ。(この映画ではとーっても悪い所長を好演している)しかし別に有名スターを出演させる必要もなかろう。ドライバーの隣に座るナビゲーターは(視聴者へアピールする都合上)みんな長い髪の毛を振り回す-そしてさして特徴のない-美人ばかり。銃弾が景気よく飛び交い、どっかんどっかん爆発がおこり車がひっくり返る。
もちろんお話にちょっと無理はあるのだが、B級と覚悟していけば許せる範囲でもある。登場人物達にそれなりの筋が通っているのが良い。誰も地球を救おうとか、米国をもとの輝かしい姿に、とかそんな身の丈に合わないことは言い出さない。一番印象に残ったのは、主人公が娘の写真を見ながら「母親似だ」というシーンか。確かにあの表情を観れば、この男が妻殺しだとは(観客の)誰も思うまい。
かくして映画は1時間45分でテンポよくフィナーレを迎える。陳腐なハッピーエンドと言えば言えるのだが、今の私にとって少し元気づけられるエンディングであった事も確かだ。
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心やすからに安眠することが最近の課題。これができないと長続きしません。