とにかくロボットなのだ
2009-01-07 13:09
私もこの番組を見た
「夢の扉」というテレビ番組に、東大でロボットを作っている研究室が取り上げられていた。 手足と頭のついた、本物の「メイドロボット」作っていた。東大なのに。
(中略)
ロボットの動作は極めて複雑で、バックグラウンドに投入された技術はすごいのだろうけれど、 発想が足りない気がする。「発想」というものは、「洗濯をする機械を作る」という問題を、 「水を攪拌する機械を発明する」と言い換えることであって、掃除するロボットをそのまま作るのは、少し違う。 自立して動く掃除機ならば、もう何年も前に市販されていて、お掃除ロボット「ルンバ」のパチモノなら、 今はもう、ホームセンターで2 万円しない。
そして私も番組を見て”げっ”となった。少し違う理由からであるが。
番組では皿を持つのに苦労している様子が描かれていた。記者会見直前にその問題は解決された。どうやったか?
さらをいったん他のさらにたてかけ、よこから再度つかむようにしたのだ。
私が大学を卒業したところは、人工知能バブルがはじけるところだった。プロダクションシステムとかエキスパートシステムが何を残したのかについては、いろいろな議論があるだろう。私が信じているところによれば、あの騒ぎから学ぶべきは
”特殊状態におけるルールをいくら積み重ねたって、実世界で役に立つ物はできない”
ということだ。
確かにそういう”動作”をプログラミングすることで、記者会見は乗り切れるかもしれない。しかしそこに何の意味があるのか?
たとえば、ロボットが皿をつかむ方向を自動的に試行錯誤から学習した、とかいうのであれば話は別だ。しかし(少なくともあの番組から見る限りでは)そうしたアプローチをとった結果とは見えなかった。
少し条件が変わったらどうなるのか?またロボットに新たなパターンをプログラミングするのか?
あのあと該当記者会見の記事を検索してみたが、ほとんどでてこなかったのが救いともいえるかもしれない。
冒頭引用した記事にも深く同意する。擬人化ロボットを作るのであれば、それなりの価値を訴求できるようにすべきだ。
いや、今は稚拙だけどこれは長い道のりの第一歩なんです、と思わせてくれればいいよ。だけどやっていることは
”ああ、これは前にも見たことあるな”
としか見えなかった。
というか日本人って擬人ロボットに異常なほど執着する傾向がある、と考えるのは私だけだろうか?
そうした傾向を考慮すればあのようなロボットを”産学共同で作る”ことは”ある面”から見て意義深いことなのかもしれないが。