視聴率の1%に一喜一憂

2009-03-17 07:33

というのは、TVに関して私が聞いていたことだ。しかし、昨今は(ようやく)そうではなくなってきたらしい。

テレビはこれまで、視聴率ばかりを追い求めるあまり、ROIをないがしろにしてきた。しかしそれは、結局お金を使わない人ばかりが楽しめるような番組を作るということにつながって、マーケティング能力は下がる一方だった。おかげでスポンサーはどんどん離れていき、昨今のテレビ不況の一つの要因となった。 そのためテレビも、これからは視聴率――つまり「どれだけ多くの人が見たか」ではなく、ROI――つまり「どれだけスポンサーした企業の売上げが伸びたか」ということを見ながら番組を作らなければいけない時代になった、ということだった。 http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20090316/1237188373

いまさら、という気もするがこれが当たり前のことなのだと思う。
広告というのは非常に効果が測定しにくいものだと聞いたことがある。全体的なイメージアップってそれがどれだけ売上増に貢献するのか。それでも他がやっていればこちらもやらなくてはならない。

そんなことからバブル的な高騰を続けていたTVCMの値段もようやく下落することになるのだろう。

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TV局というところは社員の給料がやたら高いところである。それでいながら、別に番組を制作しているわけではない。

私が考えるところの”腐った産業”には共通的な特徴があって

・必要以上に多重な下請け構造
・頂点に位置する人間は、何も生産的なことをせず高い給料を得る。
・本来の技術、技能ではなく、名前、既得権益などが受注に結びつく。

この図式はTV業界に一番よく当てはまる。(ITゼネコン、建築のゼネコンも同様だが)こうした腐った構造がなぜ生まれるかについてはきっと世の中に研究している人もいるのだろう。

こうしたTV業界の変質と、2011年地デジへの移行が同じ時期に起きたのは実に興味深い。いや、どちらかがどちらかの引き金というわけではなく、単に重なっただけだと思うんだけどね。過去にも”これから数年は実に興味深い”と書いたが、その期待は今のところ外れていないようだ。うまくいけば、腐った構造が一つ崩壊するのを目の当たりにできるかもしれない。