マリア・ジョアン・ピリスのピアノ+チェロを聞いてきた

2009-05-14 07:30

というわけでたまには文化的な活動を。数日前マリア・ジョアン・ピリスのピアノ+チェロを聞いた。

演目はショパン+リストが一曲。わかったのは



"俺はショパンより、ベートーベンとかモーツァルトのほうが好きだなあ"

ということ。いや、ピリスがとてつもなく上手であることくらいは私にもわかるのだけどね。前に使った表現だが



"名手は音楽を奏で、凡手は楽器を演奏する"



なぜああした音が出るのだろう。音を自在に操り、そして音楽を奏でる。

でもって書くのは関係ないことばかりなのであった。

会場に入ると"演奏者の強い要望により、拍手は一部と二部の最後だけにしてください"と張り紙がしてある。なんでもピリスのこだわりなのだそうな。

さて、プログラムの構成上、チェロのお兄ちゃんは出番があったりなかったりする。出番がない時は脇に置かれた椅子に座っている。ピリスはこだわりがある人なので、曲と曲の間もほとんどあけない。自分がよいと思ったタイミングでやおら演奏を始める。

というわけでチェロのお兄ちゃんは、演奏の最中に椅子から演奏位置まで移動しなければならないわけだ。二部の途中でお兄ちゃんがチェロをもって歩き出す。

しかしそこでピアノが静かな部分にはいる。その瞬間お兄ちゃんの足がぴたっと止まる。

しばらくしてピアノがじゃんじゃかなりだす。お兄ちゃん足早に演奏位置につく。この"ぴたっととまる"ところが結構微笑ましかった。

講演は完売御礼。東海3県のピアノ関係者全員集合なのではないかと思える。ピリスは私だってNHKで見たことがあるくらいだから、その道の人にとっては"絶対きかなくちゃ"という講演なのだろう。子供を連れてきている人も多かった。ぜひ聴いておきなさい、ということなのだろうか。

講演が始まる時"演出の都合上、非常口の明かりを消灯します"とアナウンスが流れる。なんのことだと思ったら最後の曲が終わったところで会場の明かりが全部消えた。最後の曲はショパンが晩年-といっても39歳だが-に作曲したかもしれないといわれている曲。ピアノの音が消えると明かりも消える、というのは確かに印象的であった。