Wiiの間を使ってみた
2009-05-08 07:17
というわけでWiiの間である。
任天堂は据え置き型ゲーム機「Wii」に番組を配信するサービス「Wiiの間」チャンネルを5月から始めると発表した。番組の内容は放送時まで明らかにしないという。視聴料は無料にし、Wiiのネット接続機能を生かして視聴者が番組を評価できる仕組みも取り入れる。
via: 任天堂、「Wii」向けに番組配信 5月から デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS
最初聞いた時は"富士ソフトが、Wii上で映像配信始めたのに、本家に始められちゃ、、富士ソフトカワイソス"だったのだが
ふたを開けてみれば、基本的に"広告配信&評価システム"だった。
いや、それはいい着眼点だと思うのだ。実際CMって時間に割り込まれさえしなければ結構おもしろいし。井上某とかCMがなければ世の中にでてこなかった人もいるくらいだし。
私が考える問題点は
任天堂の製品にしては、意外なほど"作り手の都合"が見える作品だ、ということだ。
何が問題か?一言でいえば動画にたどりつくまでのステップ数が多すぎるのだ。あれを選び、これを選び、それを選んでようやく広告が始まる。
おまけに動画を見たあとは必ず"評価"が待っている。Wiiらしく、自分のアバターを評価の上に置く、という仕組みだが、面倒なことに変わりはない。
もっとGoromi-TVのようにだらだらと見させるような仕組みをなぜ取り入れなかったか?そもそもCMをそんな手間をかけてみようとする人間などいないだろうし。
ここでは情報を得るためのコストと、期待値の関係を考える必要がある。コストが高まるほど期待値は高くなる。そこでCMなんかみさせられては誰もがっかりする。
逆にコストが低く、それこそつけっぱなしにしておけるようなものならば、たまたま面白い情報に出合えて"得した"気分にもなれようというものだ。
いや、任天堂がそんなことに気がついていないはずはないと思う。しかしおそらく彼らにはそれができない事情があった。
広告を無料で提供している企業にしてみれば、それに対するリターンを求めたくなる。であれば、見たあとの評価、というのは必須だと思うのだ。また適当にだらだら流しっぱなしにする、というのもおそらくは権利者にとって許容しがたいことなのだろう。(本当に見てくれた回数が測定できないからね)
かくして使い手の都合を無視した作り手Happyなシステムがまた一つできあがる。世の中にTV画面上のインタフェースはあふれているが、だらだら流しっぱなしを指向するものが、ごく少数を除いて存在しないのは驚くべきことだ。