○○認識と名前がつくと
2009-06-15 07:19
基本的に"使えないもの"と考えるようになった。音声認識、画像認識、ジェスチャ認識。。
いや、これは明らかに間違ったものの考え方だ。しかしそこからスタートするくらいでちょうど良い、というのがここ数年で得た結論である。
それらはいずれも"未来の技術"とか"マイノリティレポート"とかいう言葉と一緒に紹介される。そしていつまでも未来にとどまっている。いや、もちろん一定のアプリケーションにおいてはそれらはちゃんと使われている。しかし広く生活を変えるまでには至っていない。その数少ない例がWiiではなかろうか。
Wiiが発表された時、いろいろな反応があったやに記憶している。そして今年のE3でMicrosoftとSonyがモーションセンサーを発表したことで、それが与えた衝撃が明白となった。
使われている技術も興味深い。Sonyについてはよくわからないが、Micorsoftは2台のカメラを使っているようだ。そしておそらくは素人を喜ばせ、玄人に苦笑される宣伝文句をぶち上げた。
2D カメラやコントローラーとは異なり、「Project Natal」センサーは全身の動きを 3D で追跡し、命令、指示、あるいは音声に現れる気分の変化にまで対応します。
また他の機器とは異なり、「Project Natal」センサーは使用する場所の明るさに依存しません。顔を見るだけでユーザーを認識し、またキーワードに反応するだけでなく、ユーザーが発した言葉の意味を理解します。
via: Xbox.com | COMPANY - プレスリリース
いや素晴らしい。"ユーザが発した言葉の意味を理解"とは。とはいえ、膨大な数の研究者を抱えるMicorsoftが本当にそうした技術を開発した可能性も捨てきれない。今言えることは
このゲームにはかなり大きな可能性があることがわかる。マイロというキャラクターががどれほどチャーミングで真に迫っているかを考えればなおさらだ。
ただし、『Project Natal』の他のすべてのものについて言えることだが、『Milo and Kate』の力量が真に試されるのは、E3での管理されたデモから遠く離れた、われわれのリビングルームにやって来たときだろう。
via: MSの画期的な『Project Natal』と、「バーチャル少年マイロ」 | WIRED VISION
○○認識に共通する特徴は"管理された環境下にあるデモでは見事に動作するが、決して実験室をでることがない"点にある。はたしてNatalは外にでてくるだろうか?
こうした両者に対し、任天堂のアプローチは際立って異なっている。
・カメラを用いたモーションセンサー技術のコントローラーは過去に社内で実験をした。しかし現在Wiiが採用している加速度センサーの方が優れているという結果が出たので、Wiiには加速度センサーを採用した。
via: ソニー・MSが導入したモーションセンサー技術、任天堂は「過去に検討したけど不採用」:Garbagenews.com
・「実際にコントローラーが発売されて対応ソフトが出るまでは、どうこう言うことは出来ない。でも、ひょっとすると今発表されているものを、そのまま製品化することは難しいんじゃないかな」
・岩田社長自身はWiiの加速度センサー採用のコントローラーによって、このジャンルでスタンダードの立ち位置を勝ち得たことを大変嬉しく思っている。「『加速度センサーのコントローラーなど上手くいくはずがない』と言っていた方々は、今やモーションセンサー技術を提唱しているよね」
彼らにとって重要なのはコンテンツ、ユーザ体験であり、どのような技術を用いるかはそれが新しいユーザ体験をもたらすことができるか否かだけに依存している。
Wiiを注意深く操作してみれば、それが"ゲーム"のために実に慎重に作られていることがわかる。ぼんやりしたコントローラーの出力をいかに楽しいゲームの操作機器として仕上げるか。そこに実に興味深い工夫があるように思うのだ。
でも"論文"としてみたときには、
RGB カメラ、深度センサー、マルチアレイ マイクロフォン、および専用ソフトウェアを走らせるカスタム プロセッサを内蔵した、世界初の機器
via: Xbox.com | COMPANY - プレスリリース
のほうが"新規性有り"ということになるのだよね。。