ツボだの針だの

2009-07-10 06:53

面白い記事を見つけた。自分の中でまだ消化できていないが、とりあえず引用しておく。

――現代医療でも、「がんの名医」といわれた人は、触診を非常に大事にし、精緻な検査を行う前に、ある程度の症状を把握していたと聞いたことがあります。

寄金:いまや触診は廃れましたから、職人芸を伝える話として残っているだけになりつつあるのは残念ですね。ただ考えてみて欲しいのですが、名人だろうと、触れた奥がどうなっているかは、本当はわかりません。触診の名手が触って、そこでなにかがわかるとしても、それはあくまで"妄想"です。

 「きっとこうだろう」と過去にたくさんの人に触って蓄積したものが混沌とした潜在意識の中から出てきて、なんとなく答えを出す。それを言語化せずに出力してしまえるのが、職人・名手たるゆえんでしょう。

via: 「ツボはただの妄想」とツボ師は言う:日経ビジネスオンライン

先日書いたこととちょっと関連づけてみる。

この人は"ツボはただの妄想""医学は科学たりえない。それで結構"と言っている。ちょっと極端な気もするが、その言葉にひきつけられるのはこの人が自分の職業に確固たる自信を持ち、それゆえそこから離れたところから自分がやっていることを見つめられるからだろう。

これの逆の立場にあるのが、"科学たらんとして苦闘している"心理学の人たちである。精神科医ならともなく、自分達がやっていることに自信が(心の奥底では)持てないと他分野の人たちを見下したり、"心理学100年の伝統"とかいう言葉でそこを補うしかないのだろうな。。