昔話

2009-09-29 07:09

その昔いろいろな説明をする資料をつくるためには"切り張り"という技術が要求された。

新幹線の終電、もしくは始発で間に合うときは、徹夜で資料を作りそれでいかされた。

そんなとき、新幹線がなかったころの話を聞いた。なんでも朝から東京で行われる会議には夜行でいくしかない。したがって徹夜で作業はありえなかったと。

いいなあ、と思った。

今は切り張りなどめったにやらない。コンピュータの上であれこれやる。資料だけおくるならメールでもOKかもしれない。確かに不毛な作業は減った。細かい点を一つ一つグラフ用紙にプロットするなんてこもやらない。

しかし

思うのだ。その夜行列車の中はどのようだったかと。もちろんその中でも仕事をした人はいるのだろうが、ぐっすり眠った人も多かったのではなかろうかと。

メールと携帯電話のおかげでいつでもつながるようにはなった。しかし全体としてそれが幸せにつながっているのかについて、私はいまだに確信が持てない。

ペリシエール氏は、France Telecomの民営化で一部社員が明らかにかなりの重圧を受けていると語りつつも、新技術の登場によって私生活を仕事が浸食するようになっていることが事態を悪化させていると付け加えた。

 「15年前、大企業の平均的な社員は携帯電話も自宅用PCも持っていなかった。家に帰れば仕事から離れていられた」(同氏)

via: 社員の自殺相次ぐFrance Telecom、「電子メールがストレスに」と幹部 - ITmedia News

こうした側面は確かにある。善かれあしかれ、会社をはなれて家の電話が届かない距離にいれば、仕事から離れられたのだ。

最近でも"セキュリティの都合上"社外からメールをみることができない会社がある、と聞いた。いいなあ、と思う。