Closer Please
2009-12-10 06:57
↑は、羊たちの沈黙で、レクター博士がクラリスに身分証明書を見せろ、といったときのセリフ。
こんな文章があることを知った。
どんな男性も「チラリズム」が大好きです。見えそうで見えないものがあると反応し、追いかけます。男性誌によくある袋とじ。これもその心理をうまく活用している例です。女性誌にはあまりないですよね。男性を魅了してやまない袋とじですが、実際に開けて見てしまった後はすぐに飽きてしまいます。「なんだ、この程度だったんだ。」と。
via: 「もっと知りたい」と思われる女性になる(織田隼人) | オトメスゴレン
ですが、またついだまされて買ってしまいます。それも何度も。女性から見ると「バカじゃないの」と思うかもしれませんが、これが男性特有の心理なのです。
フェルメールの絵画に私が興味をひかれる理由もこれに近いのだと思う。真珠の耳飾りの少女でも、青いターバンの少女でもどちらでもいいのだが、あの絵を思い返そう。
この絵は描かれている人物について何も確たることは語っていない。しかしチラリズムがちゃんと存在している。それゆえ私などは絵画の前で長い間立ちすくむことになる。
私がクラシックと呼ばれる楽曲のうち、古典派、バロックに興味をひかれるのも同じ理由だと考えている。ロマン派以降は説明が多すぎるのだ。必要なのは受け取り手の想像力を刺激することである。
少し前にも書いた気がするが、想像の中の敵ほど強大で強力なものはない。興味を持つことに関しても、想像の世界はほとんどすべての場合において現実を凌駕している。それゆえチラリズムが有効に機能するわけだ。
新しい物の提案であっても、その存在が何か新しいもの、何か新しい世界の可能性を感じさせてくれるとき、多くの人がそれに興味を持つ。提案するものはそのようでありたい。