"国民の声"を主語にするとき

2009-12-18 07:03

小沢君の場合は"国民の声"="自分(小沢)の声"という文脈で使っているようだ。

選挙で民主党は大勝した。民主党=自分。Therefore, 自分の声は国民の声である、というロジックなのだろう。

一方鳩山(兄)のほうが"国民の声"というときは、"国民の声"=Not 自分の責任 という意味のようだ。いや、国民の声でございますから公約も硬直的に考えてはいかがなものかと。


少し歴史を思い起こそう。

太平洋戦争前の状況というのはいくら文献を読んでもわからないことが多い。主語がだれだかはっきりしないからだ。軍部独裁といったところで、じゃあ軍部とはだれなのか。細かく見ればその中でも強硬論を吐いていた人が抑えに回ったり、誰がなにやらよくわからん。結局は伊藤正徳いうところの

"率いた者が誰もいなかった"

ということなのだろう。でもって当時世論調査をやれば間違いなく

"米英討つべし"

が圧倒的な支持を得たのではなかろうか。その結果はご存じのとおり。

そこからさかのぼり、日露戦争である。あの時も"国民の声"を聞けば

"賠償金と領土が得られなければ戦争継続"

が圧倒的ではなかったか。しかし当時の政治家は"国民の声"に逆らった。それゆえ悲惨な敗北に陥る前に戦争を終結させることができたのだ。

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などとつらつら書いたところでなんともならない。実際国民は鳩山君を、小沢君を、そして民主党を支持しているようなのだ。