CEREVO に思う

2010-01-20 07:16

CEREVO という会社がある。元松下電器で働いていた人が代表のベンチャーだ。日本では珍しいが、ソフトではなく、家電向けハードを手掛けている。

長い間またされた製品がようやくリリースされた。CEREVO CAMという。ネットと連動し、自動的に写真をアップロードしてくれるのが売りなのだな。

コンセプトを最初聞いた時は"なるほど"と思った。大企業のラインナップから漏れているところを素早く突くのは確かにベンチャーの仕事だ。

先日その製品に触れる機会があった。私はデジカメの画質とかそういうものを気にしたこともない人間だが、その"でき"にはがっかりした。

・作りがどうしようもなく安っぽい

・"ゲーム機"を意識した操作系は結構だが、使い方がさっぱりわからない。それとひきかえにほれぼれするほどスタイリッシュかといえば、そうでもない。

・室内フラッシュなしで写真をとると画面が黄色がかった暗いものになってしまう。

・売りの"自動アップロード"がどう動くのかよくわからないし、類似の昨日は他のベンチャー+大企業がどんどん出してきている。

2chにもスレッドが立っているが意見はほぼまとまっているようで

"応援したい気持ちはあるけれど"

といったところか。

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この会社の代表氏がしゃべっているところはなんどか見たことがあるし、ブログも読んでいる。幅広い知識を持った優秀な方だというのは痛いほど伝わってくる。

しかし

製品を作るというのはやはりとても難しいことなのだ、CEREVO CAMを手にしてそう思う。文句をつけるのは自分でやるより何百倍も簡単だ。自分で同じことができるかと問われればもちろんできるわけがない。しかしやはりCEREVO CAMは私にとって金を払うに値する製品ではない。

そのCEREVO が先日こんなアナウンスをした。

様々な操作に連動してカメラがしゃべる、今までにない新しいデジタルカメラが登場します。起動や終了、シャッター音やエラー音、その他さまざまなタイミングでカメラがしゃべります。ベースとなるカメラはCEREVO CAMなので、無線LANを使って全自動でBlogやSNSに写真を投稿することができます。

via: CEREVOTプロジェクト始動 - CEREVOT project blog

確かにこれで在庫の何台かは確実に消化できるだろう。しかしいかにも初音ミクの成功を模倣しようというその姿を見ると複雑な感情が湧く。

ベンチャーだからなりふりかまっていられない。それが正解なのだと思う。仮に将来CEREVOが大成功を収めたとすれば、これもひとつの笑い話になるだろう。このまま消えていくとしても、何人かの冷やかし以外に被害はない。

しかし"イロモノ路線"にしても、せめてオリジナリティを発揮することはできないものか。じゃあそう言っているお前がやってみろ、といわれればまた沈黙するしかないのだが。