映画評:アバター
2010-01-05 07:26
本日からしばらくブログの更新がとります。というほど定期的に更新していない気もするが。
というわけで本家から転載。
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見ながら考えていたのは
"もしジョージ・ルーカスに正気が少しでも残っていれば、この映画を見たあとでStar Warsを作ろうとは思わないだろう"
常日頃"映像表現が云々などはまともな話あってのこと"と主張している私だが、この映画には素直に驚いた。
予告編を見ればストーリーはほぼ把握出来る。ある惑星に鉱物資源が豊富に存在する。海兵隊+営利企業はその上に住む異星人を立ち退かせようとする。かくしてドンパチが始まるのであった。
"異星人"はNative Americanとも、無数に繰り返されてきた"土地を侵略された土人ども"とも受け取れる。したがってこうしたストーリーも何度となく映画化されたわけだが、この映像はどうだろう。
ナウシカの影をいくつか挙げることもできるだろう。しかしこの25年の間、日本人が作ったの映像は牛歩の進み-しかも進んでいるのは宮崎ひとり-だったのに対し、ハリウッドはここまで到達してしまった。
2 時間27分の間に、実写を少しでも用いた部分はどれだけあるのだろう。しかしいくつかのシーンを除いてそんなことを感じさせもしない。実写か否かに 関わらず思わず息を飲むようなシーンをいくつも展開してみせる。空を飛ぶ島、惑星に生きる異星人、動物たち、燃え落ちる巨大な樹。
主人公は下半身不随となった男。しかし自分の"アヴァター"とリンクしている間は惑星パンドラの大自然の中を自由に飛び回る。映画の途中で
"どちらが現実かわからなくなってきた"
と主人公がつぶやく。見ている観客も多くはそう考えたのではなかろうか。
陳腐なストーリーにものすごいCGといえば、最近ではStar Wars 1-3.しかしそれがいかにも"つけたしました"というCGだったのに対し、この映画のそれは見たこともないレベル。サマー・ウォーズなど見て"映像表現が素晴らしい"などと言っている輩は豆腐の角に頭を打ち付けた上で冬の伊勢湾にダイブすればよいのではなかろうか。
この映画はこの後"新たなスタンダード"となるのだろうか。
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正直に書くが、筋がパターン通りの映画でこれほど驚かされるとは思わなかった。
Star Wars1-3とこの映画を比較するのは興味深いと思うのだけど、誰か卒論とかでやらないかしら。でもってやったら私に教えてください。
それとともに、"日本のアニメ"という狭い枠を勝手に作り、その中であーだこーだ言葉をこねくり回している人たちに対し非常にNegativeな感情が湧いた。エヴァンなんとかとかサマーなんとかのことだが。
日本人は、狭い枠がはめられてこそその中で創作性を発揮するとどこかで読んだ。(折り紙とかね)でもそういうことやっているうちに(自動空戦フラップとか作っているうちに)、原爆でふっ飛ばされたりする。
また映画はチームで作るが、監督は常に一人だ。(場合によっては監督不在の映画もあるらしいが、そうしたものは決まって駄作だ)このことにはもっと注意を払ってもいいと思う。