宣伝の意図は理解できるが
2010-01-25 07:46
恒例の○○認識の悪口を書こうのコーナーです。
この擬人化サービスの1例として鈴木氏は、キャラクターと対話をすることでユーザーの要求を満たすサービスを紹介。自分の星座を教えると占いをしてくれたり、好きな野球チームを教えてくれたりといった日常会話ができるほか、劇場のチケットを予約するなどのコンシェルジュ的なサービスも可能になるという。
via: Googleの「音声検索」とは違う:音声認識で人間並みのコミュニケーションが可能に――「AmiVoice」の未来 (1/2) - ITmedia +D モバイル
ベンチャー企業が宣伝としてこういうことを書くのは理解できるのだけどね。
"音声認識"と"人間並みのコミュニケーション"の間には深くて長い溝がある。というかほとんど別物と考えた方がよい。
前の会社にはいってすぐ"音声認識を担当しろ"と言われた。はて、どんな技術やら。最初はなかなか面白いと思えた。
しかしそのうち気がついたのだ。
仮に"完璧な音声認識技術"ができたとしよう。その状況はたとえば音声認識部分をキーボードからの文字入力でシミュレートすることが可能だ。
では、キーボードから文字入力をさせたとして、それが"人間並みのコミュニケーション"につながるのか?答えはばかばかしいほど明白である。
この会社が掲げる"10年後の世界"は10年前に見た"10年後の音声認識"となんら変わりがない。つまりこの業界はゆるやかな前進をしているだけで、誰も"人間並みのコミュニケーション"への道筋すら見つけられていない状況だ。
一人のユーザとしてその現実を喜んでいるわけではない。しかし現実は現実だ。