日本のものづくりの運命

2010-02-01 08:09

NHKドキュメンタリー"メイドインジャパンの命運"を見た。

その中で取り上げられていたものの一つがCELL REGZAだ。PS3で"有名"になったスーパープロセッサCELLを搭載。ハードディスクは3TB,チューナーは11個搭載。

"そんなもの本当につくるか"

と思うような製品を作るのはサムソンの十八番と聞いていたが、東芝もやるのだな。
でもってドキュメンタリー中で

"進行表がアップデートされてないじゃないですか"
"で、いつ物を見られるんですか?今日ですか?明日ですか?"

と詰問していた男がこんなことを言っている。(ソフトウェアを必死になって作っている人間相手にこんなこと言えば逆効果なのに)

開発のベースにあるのは、社長の大角(正明氏)が発表会でも申し上げた通り、テレビってワクワクするもの、感動してもらうものなんですよ。そうした思いをCELLで作ったら「究極にワクワクするテレビになった」というのがCELL REGZAです。

via: 究極に"ワクワクする"テレビ「CELL REGZA」はいかにして作られたか:インタビュー - CNET Japan

ぜひ聞いてみたいのだが、"TVの作り手"ではなく、"TVの使い手"がCELL REGZAをみてワクワクすると本気で思ってるのか?自分は100万出してこの製品を家に置いているのか?家族は本当にわくわくしているのか?

こんなガラクタをデザインしたのは誰だ?なぜそのデザイナーな顔をださないのだ。

私がこのドキュメンタリーを見るのと前後して発表された$499のiPadがどのようなワクワクを世界中にもたらしたか考えたことはあるのか?

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同じドキュメンタリーでは別のアプローチをとっているJVCケンウッドが紹介されていた。詳細は知らないが、ラジオでなにやらが配信されるボックスを作り各社にライセンスすることで儲けるとのこと。これもひとつのやり方だろう。

この両社に欠けているのは

"そもそもそれは面白いものなのか?"

という観点だ。いや、会社が存在する方法は何百通りもあるから、これがいいとは言わない。でも

今日の講演の最後の方のSJの言葉:「アップルはテクノロジーとリベラルアートの交差するところに立つ会社」。私の好きな言葉で、実は'99年のiMovie発表時にも言っている。横の @hokayan 曰く「こういうのが日本のメーカーの人に一番、大事さわかってもらえない。」

via: Twitter / Nobuyuki Hayashi林信行: 今日の講演の最後の方のSJの言葉:「アップルはテクノ ...

を読むとき、思わず嘆息するのは私だけではないだろう。かつてはソニーがその位置にいたかもしれないが、、いや今は任天堂があるか。