崩壊の雰囲気

2010-04-12 07:54

年をとると何かと不自由なことが増えるが、いいこともある。威勢のよい掛け声のうち

"ああ、これは前にも聞いたな"

と思えるものが増えるのだ。バブルの日本の不動産バブル、米国のITバブル、住宅バブルと傍観者ながら経験させてもらった。

その経験からするとバブルが崩壊する前兆というのは

"とにかく、○○を買っておけばもうかるんだ"

という言葉がそこかしこから聞こえて来た時である。米国の住宅バブルの時も"とにかく買っておけばもうかるんだ"と米国人が言ったのだそうな。私のいとこは"それは日本のバブルの時に散々聞いたセリフだ"と言ったが相手は聞く耳もたなかったそう。

さて、先日あるTVニュースを見た(どこで見たか忘れてしまったが)中国のある都市に関するレポートである。壮麗な住宅がつらなったきれいな町並みである。しかし人が誰もいないのだ。

解説によれば、その都市は"純粋な投機対象"としてのみ存在しているとのこと。つまり住宅は存在しているが、購入の理由は住むためではなく投機という。でもって実際に買った人は近くの普通の町に住んでいるのだそうな。

誰がどうみても異常な状況だ。しかしかの国では"とにかく住宅を買っておけばもうかるんだ"ということになっているのだろう。

「中国不動産バブル崩壊スケジュール」が発表されて以来、他のネットユーザーから1万回を上回るコメントがあった。あるユーザーは、「2011年に不動産バブルが崩壊するか否かはさておき、この文章がこれだけ広く反響を呼んでいるということは、やはり多くの国民が、価格が極めて高くなっている不動産市場に強い不満を持っているということだろう」とコメントした。

via: 中国不動産バブル、2011年に崩壊?日本を基準の予測、中国で大反響 - (大紀元)

例によってバブルがいつ崩壊するのかを予測することはできない。しかし近い将来それが崩壊するのは間違いないことのように思える。