iPadで驚くのは
2010-06-04 09:04
買ったけど使い方がわからん、という声をぼちぼち聞くことだ。
先日親戚の葬式にでた。そこに姉がiPadを持ってきていた。驚嘆である。しかも
"アプリをいれると楽しい?よくわかんないのよねえ"
と言っていた。
ああ、そんな勿体ない。俺にくれ、と言おうかと思った。多分殺されるのでやめておいた。
うちの母もiPadのことは知っていた。なんだか行列して買うんでしょ、あれ。
さて、ここで考えなくてはならないのは
iPhone,iPadの行列にはある程度企業の宣伝的なしかけがあることはもちろんだ。しかし並んだ人の大半は
"勝手に徹夜した"
人であることを忘れてはならない。PS3発売の時の怒号に満ちた大騒ぎとはまた何かが違う。
見せてくれた編集者氏は、ほとんどアップルのセールスマンだった。それほど全力で私にiPadの魅力をアピールした。
「で、ここをこうするとほらフォトフレームになるわけです」
「......うう......」
「動画も見られますよ」
「......うう......あ......」
「ね。なかなかの画質でしょ?」
「............」それにしても、こういうブツをいち早く手に入れた人間は、なにゆえに必ずや布教活動を展開することになるのであろうか。あまた生まれいずる市井のペテロたち。その無償の情熱と行動力。
via: 私がiPadを買うべきでない理由:日経ビジネスオンライン
iPhone,iPadはなぜ人をセールスマンにするのか、というのは面白い問いだ。理屈っぽくない人はこういう答えを出せる。
NBO ははあ、だから「頭で考えてしまう」タイプのインテリは必ずしも反応しなかった。
糸井 「わあっ」は、なんというか、ボディで、全身で、その対象物に出会ったときに、思わず出てきてしまうんです。言葉とか理屈を超えて、凄い、うれしい、欲しい、と思ってしまう感覚。でも、本当に欲しいもの、本当に好きなものに出会った瞬間というのは、そういうものじゃないですか。
NBO たしかに、わあっ、なんなんだこの商品は! 俺に買われるためにできたのかっ、というモノに出会っちゃうこと、あります。
糸井 マーケティングなどが発達しすぎると、どうしてもお客さんのニーズや好き嫌いだけを徹底的に分析して、モノを作ろうとしがちです。でも、それをやりすぎると、もしかすると一番肝心な「わあっ」がどこかにいってしまったりするのかもしれません。
NBO たしかにそういう商品、少なくないような。
via: iPad、「アバター」から前川清まで――イトイ式「売れるモノ」の法則:日経ビジネスオンライン
さすがにiPadの時は減ったが、最初にiPhoneが発表された時は、"頭のいい人"からの批判をたくさん聞いた。
もちろん頭のいい人はその強みを発揮できるところでご飯を食べていくわけなのだが、この"わあっ"にはいつまでも届くことがない。この"わあっ"こそが私の姉にiPadを買わせたものなのだと思う。
私は頭が鈍い人なので、"わあっ"と騒いでご機嫌になるのだが、頭のいい人たちの会話にはいつも悩まされる。それにどう対処するかは未だ解がない。