音楽業界がかくも成長したのはなぜなのか(1990-2000において)
2011-02-23 07:09
インターネット上の不法コピーのおかげで、CDが売れなくなったとかあれこれいわれることが多い。しかし複雑な世の中においては物事をそう単純化することはできない。最近話題になっているこのグラフ。
CDが売れなくなった...のではなく、そもそも売れる名曲が激減? : ギズモード・ジャパンより引用:
2005年から現在を見れば
「音楽業界の売り上げは、Digitalメディアの登場では補えないほど落ち込んでいる」
と見ることができる。しかし(元の記事にもあるが)以下のような読み方もできる。
・Digitalメディアの登場以前から、CDの売り上げは頭打ちで、減少傾向に向かっていた。つまりCDの売り上げ減少の原因を、Digitalメディアによる違法コピーだけに求めるのは間違っている。
・1990年から2000年までの間に楽曲販売の売り上げは2倍以上に増えた。この原因は何か?
・楽曲販売が危機的に減少しているというが、現在の売り上げは1990年当時と同程度である。では1980-1990年に後世に残るような楽曲が作られなかったかといわれればそんなことはない。
・1970年代の楽曲売り上げは、現在の1/3程度である。しかしそのころ後世に残るような(以下同文。ただこれにはインフレの影響を考慮する必要があるのかもしれない)
楽曲の売り上げが激減しており、このままでは音楽業界が立ち行かない、とかいう論調は多い。本当にそうだろうか?1990年といえばそんなに昔ではない。そのころの水準に戻るだけではないのか。単に1990年~2000年が異常なだっただけではないのか。
ちなみにいまやオリコン売り上げランキングというのはほとんど冗談のように見える。AKB商法に代表されるように、いまやCDは
「音楽メディア」
ではなく、擬似通貨としての側面が大きくなってきている。
2000年以降はほとんど「はやりの歌」なるものを聞かなくなった私だが、日本においては後世に語り継がれるような歌が作り続けられているのだろうかね。ポニョの歌と「あっるこーあるこー」は30年後にも歌われていると思うのだけど。