日本人が学ぶべきたったひとつの兵法

2011-05-31 06:49

ほら。題名を読んだだけではてなブックマークをつけたい、という衝動がむらむら沸き起こってきませんか?(うざい)

というわけで「孫子・三十六計」という本をぱらぱら、と読んだ。
三十六計は、ことわざ的に何度も聞いたことがあるが、その本物を読んだのは初めてである。著者はわかっておらず、俗書として扱われていたが20世紀にはいってから評価されるようになったのだそうな。

中国兵法のエッセンスをまとめたもの、ということだが最後の三十六計が興味深い。

第三十六計 走為上 以上の計略でも勝算がたたないときは、逃げるのが上策。 兵力を消耗することなく敵を避ける。勝利は得られないとしても、撤退して宿営し、大敗北に至ることがなく咎がないというのは、戦争の常道を失っていないからである。

これは近代日本人のメンタリティに欠けているところではなかろうか。伊藤正徳の「帝国陸軍の最後」を読むと、中国軍が実に逃げ足速かったことがかかれれている。「追い払う」ことは可能だが「撃滅」は全く無理だった。なぜならいきなり何百キロも逃げてしまうから。

この計が最後にある理由は「逃げるにしても、三十五計を尽くしてから」ということなのだろうが、どこの国でも「人智を尽くさないうちに」最終手段に行ってしまうのが凡将というもの。中国軍は逃げるし、日本軍はやたらと全滅する。終戦間際になると、それこそ全滅が戦争目的になっていたのではないかと疑いたくもなる。

しかし幸いなことに最近はこういう言葉を聞くことができる。

俺は薬はやばいと思ったから、明らかな原因である仕事を辞めたら治った
精神を薬で何とかできると簡単に思うなよ

不安を煽るわけではないが、
薬を飲めば治まると脳が覚えれば
脳は原因を直そうとはしなくなるし、そのうち耐性が付くぞ
医者をどんなに頼ろうとあいつらは商売でお前を見てるだけだ
好きになれない仕事なんて辞めちまえ

via: わかっていない

もちろんひとつの仕事をずっと続けることで得られるものもあるとは思う。しかし三十五計を尽くして、なお劣勢が挽回できなければとっと逃げてもいいのではなかろうか。