そんなことは科学的にありえない
2011-06-21 06:36
このネタ前にも書いたような気がするがまあ気にしない。
霊魂やら、偽医学やらに反論するとき
「そんなことは科学的にありえない」
という言い方を聞くことがある。
私の考えではこの言い方は間違っている。(経験則的には正しいと思うが)見る人間がどんなスピードで走っていようと、光のスピードはいつも同じである。こんなことが「科学的にありえる」と思うだろうか?むちゃくちゃである。しかし無茶苦茶なのがこの世の成り立ちというものらしい。
昨日こんな記事を見た。
関東大震災が1923年に起こった後、地震予知研究の方向性として、2つの考え方が示されました。ひとつは、地震のメカニズムを科学的に解明し、その知見をもとに予知の方法を探していこうというもの。もうひとつは、科学的な理由づけはできなくても、実用的に予知につながる方法を何でも探そうというものです。
via: 【Interview】今後の地震予知について/早川正士[電気通信大学 名誉教授] - Case#3.11 地震≫原発≫復興 科学コミュニケーターとみる東日本大震災
最終的には、前者の考え方が採用され、東京大学に地震研究所ができました。この経緯から分かるように、地震学として力学的なメカニズムを明らかにする研究にずっと力点が置かれてきたのです。地震のメカニズム研究の中から地震予知につながるものは結局出てくることなく、1995年に阪神淡路大震災が起きました。
現代の科学は「理由付け」を後回しにして、「振る舞いを説明する」ことに徹したところから進歩し始めたという。ニュートンがなぜ引力が働くかについてどう説明したか知らないが、彼が発見した「法則」は多くの場面で活用される。「法則」はふるまいを記述してはいるが、理由については何も述べていない。
であれば
前掲文書で「後者」の考えたのほうが実りが多いのではないかとも思うのだ。引用記事の後半にもあるが、ナマズを観察して地震が予知できるのだったら、それは立派な実用的な研究だ。もう一つ例を挙げよう。
ウィーン中央病院の助産部門における助教授だったゼンメルワイスは、検死解剖室をでてきたばかりの医師見習いが診察した女性は死亡率がきわめて高いことに気がついた。(中略)
そして診療所の医師や看護師が、患者を見る前に塩素入り石灰水で手を洗えば、死亡率は12%から2%にさがることを発見した。
この驚異的な結果は、やがて病菌の原因が最近だという理論のもとになるものだが、猛反発をくらった。ゼンメルワイスは他の医師たちにバカにされた。なぜ手を洗うと死亡率が減るかという説明を十分に提示していないから、その理論は科学的根拠を欠いていると考える人もいた。医師たちは患者を殺しているのが自分たちだと認めるのをいやがった。そして一日になんども手を洗うのは、自分たちの貴重な時間の無駄だと文句を言った。やがてゼンメルワイスはクビになった。そして神経衰弱となり、精神病院に入れられて、そこで47年の生涯をとじた。その数字が戦略を決める P150
哀れなゼンメルワイスは見事な「振る舞いの記述」を行ったがその理由付けができなかったがために精神病院に入れられた。他にはどんな例があるかな。