心理学実験について

2011-06-22 06:46

これも何度か書いたネタだが気にしない。

ヒューマンインタラション関係のあつまりで心理学の人が講演をすることがある。実験とは条件を統制しなければならない、ということを

「実験のイロハもしらない阿呆共が」

と半ば見下したような口調で語っている、と感じるのは私のひがみ目だろう。


さて、「ユーザビリティ専門家」にも私はどことなく似た雰囲気を感じる。昨日こんな文章を見つけた。

オファマティカは、過去のデータを元に数字をはじく社内分析屋だけでなく、大学の研究室ですさまじい対照実験を行う「ユーザビリティ専門家」とも対決することになる。ユーザビリティ専門家は、実験室で確立されたいくつかの原則に大いに自身を持っている-たとえば「人々はまず左上の隅を見る」とか「人は青より赤に注目する」とか。
ロシュは反論する。「現実の世界では、広告はものすごい数のその他の入力と競合しています。対照実験なんてものは存在しません。ユーザビリティ専門家は、他の情報の津波が押し寄せているのに砂でできた真実の城にしがみついているんです。」

その数字が戦略を決める P103

つまるところ条件の統制なんて現実世界では無理だ、という主張である。であれば全く条件の統制されていない「実世界」でランダム試行を試みるべきだ、という主張につながるのだが。

これは、ヒューマンインタラクションにおける「評価」の問題ともつながるように思う。多くの「グラフ」がついている論文は多いが、できたものを見たとき「それがなんだ」となるのはいつものことである。

であれば「世の中にだしてみて反応を見る」以上の評価の方法はない、とも言える。それができないシステムはどうすればいいんだ、、とまたも議論は迷走するのだが。