萌家電の公開実験にいってきたよ

2011-07-11 06:34

というわけで萌え家電である。

公開実験が行われるというので観に行った。

水道橋にある大和ハウスのショールームで行われた。私が入っていくと、ちょうど2:30の回が見学をはじめるところだった。というか私が数分遅刻してしまったのだろう。すまんこってす。

まず小さなプレゼンルームに通される。まず大和ハウス担当者の方から「今までスマートハウスという技術を普及させようとしてきましたが、なかなかうまくいっていません」という説明がある。スマートハウスのメリットはまず節電、というところを訴求しているそうな。真面目な会社が真面目に考えるとそうなるのだろうけど、それじゃうまくいかないよなあ、と思う。

その後ソニーCSL大和田氏のプレゼンを聞く。狙いは家電をゲーム化することなのだそうな。エアコンと扇風機を両方使うと節電になる、ということをキャラクター同士のストーリーで語っていくと。ふーん、と思いながら聴く。ちなみにプレゼン中キャラクターセットが三つ紹介されたが、大和田氏一押しは、豚家電なのだそうな。

それが終わるとデモに案内される。入り口ではまずいくつかのキャラクターが「ご主人様おかえりなさい」とか言ってくれる。こういうのって実際やると一回で飽きるんだよなあとか思いながらそのデモを見る。

次に階段を上り、エアコンと扇風機のデモに移る。使われている扇風機が大変クラシックなもので懐かしくなる。いつものことだが、設定されたセリフを聞いているうちいらいらしてくる。まわりくどいのだ。じゃあ無味乾燥の表示だけあればいいか、と言われればそうでもない。この矛盾を解消するいい手立てはないものだろうか。

次にブルーレイレコーダーがプロモーションビデオを勧めてくれたり、上映と同時に照明を落としてくれたりするデモがあり、最期に冷蔵庫があれこれしゃべる。冷蔵庫はそもそも動かないので、選択するとどうでもいいような会話をしてくれるのが結構楽しい。

といったところでデモは終了。アンケート記入になる。


まず家を買うのは誰か。誰に決定権があるのか、という事を考える必要があると思う。オタ向け単身住宅ならこれでもいいだろう。しかし家を買うのは(少なくとも我が家では)奥様であり、意見を尊重されるのは子供だ。旦那は財布を出すだけ。であれば、奥様がこの萌え家電にどのように反応するか考えたほうがいいと思う。

大和ハウスの担当者が語った「スマートハウスの訴求ポイントは節電」というものの言い方はいかにも真面目な企業の真面目な検討結果という気がする。しかしその路線で攻める限り絶対に普及しないと思う。太陽光発電も「何年で元がとれます」とか真面目に言っている間は誰もつけないのだ。

そう考えると、思わず見とれるような見事な家電の連携とかを考えてもいいのかもしれない、と思う。複数の照明、音響、家電を連携して制御することでこんな美しい空間をつくることが、、、というのも売れなさそうだな。言いたいことは「真面目にコストパフォーマンスを定義するより、他の売り方を」ということ。

ちなみに、大和田氏の基本コンセプト「家電をゲーム化」というのは結構おもしろいかもしれん、と思った。いや、子どもがiPadでAngry birdとか無料のくだらない(と私が思う)育成ゲームに夢中になっているのを見てるからなんだけどね。

子供の頃、家のなかでかくれんぼをして遊んだ。家というのはまさに遊びの場だったのだ。

それであれば、それの21世紀版を考えてもいいのかもしれない。TV画面やゲーム機の画面に限定された遊びは不健全だ。家電をタンジブルなビットの入出力デバイス、と考え、家の中を走りまわる体験ゲームを、、とか言葉だけは浮かんでくるのだが。

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私が考えるよい研究とは「よくできたSFのようなもの」である。それを見た人間が想像力を膨らますきっかけになるのは私の定義では良い研究だ。

そう考えれば、この「萌え家電」は私にとって興味深い試みであった、ということができる。いや、萌えキャラには何の思い入れもないどころかイライラするだけなんだけどね。