なぜ「イノベーションを出せ」といい、イノベーションを無視するのか
2011-08-08 07:00
さて、お役所的な集団において上司が
「新しいアイディアをどんどんだしてくれ」
とかそれに類する言葉を言ったとしよう。かつての私のような人間が
「じゃあ」
ということでたくさん新しいアイディアをだす。するとあーだこーだと理由をつけてすべてボツとなる。
その現象自体は何度も観察してきたのだが、その背後にある理由がよくわからなかった。昨日、、、を使っていてだいぶ前にこんな文章を読んでいたことに気がついた。
そもそも、競争というのはなんらかのルールに従って勝敗を競うこと。
コレに対してイノベーションは既存のルールを超えるところから始まります。競争の外部や、外部に向かう動きの中から生まれるのです。
via: 2007-07-28 - 赤の女王とお茶を
お役所、ないしはお役所的企業というのは、既存のルールを守ることを生命線にしている集団である。そのルールが意味するところとか、作られた経緯はとにかくルールを順守することが第一。
でもって
イノベーションというのは、定義によって「ルールを超える」ところにあるものだ、というわけだ。であればどんな「イノベーションの提案」をだしたところで却下されるのは当たり前というわけだ。そもそもの定義が相容れないのだから。そういった組織で許容されるのは「競争」であり「イノベーション」は断固排除すべきもの、というわけだ。
であるからしてそうした団体で
「イノベーションを起こせ」
などというのは、まあ定期的に起こる発作のようなもので、静かに経過を観察していればそのうち収まる、、と今頃そうした悟りを開いても遅いのだが。