Flashの終焉とWindows8の悩み
2011-09-28 06:38
iPhone(というかiOS)がFlashをサポートしないことについてはいろいろなことが言われていた。しかし先日こんな情報を知った。
マイクロソフトの公式ブログによると、次のWindows 8に搭載されるInternet Explorer 10には2つのモード、Metroスタイル版とデスクトップ版の2種類があり、このうちMetroスタイル版の方はプラグインフリー、つまりFlashやSilverlightなどの各種プラグインは動作しなくなる、とのこと。
via: Windows 8のIE10(Metroスタイル版)はFlash非対応に、バッテリー持続時間やセキュリティなどが理由 - GIGAZINE
ちょっと待て、Silverlightもか、という気もするがMicrosoftらしからぬ割り切り方である。PCの大半を占めるWindowsパソコンで、デフォルトでは(Metroスタイルがどれほど使われるかわからないのだが)Flashが動かなくなる。Flashの終焉がやってきたようだ。
前の会社で作っていたのは、携帯情報機器用の、UIミドルウェアだった。何も知らない人は必ず「Flashと比べてどうですか」と聞いた。
しかし不思議なことに実際FlashでまともなUIを構築した会社はいつまでたっても現れなかった。
ただし、AdobeはFlashをよりローエンドのデバイスに搭載しようとはしていないとWinokur氏はいう。
モバイル市場は依然として、Flashにとっては最大の難問のままだ。しかし、Adobeがまだあきらめていないのは明らかだ。
via: 「Flash Player 11」で巻き返しを図るアドビ--その戦略を探る - (page 4) - CNET Japan
つまるところはパフォーマンスなのだと思う。私が扱っていたミドルウェアより、Flashのほうがはるかに機能が豊富で、書くならそちらだ。しかし実際の製品で動かすとなると話は別である。PC上でいくら綺麗に動いたところで実機で動かなくてはなんともならない。
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話は変わる。MetroでFlashを切り捨てたWindows8のほうだ。
Sinofskyの説明にある通り、Windows 8は従来型Windowsと新しいMetroベースの体験の両方を提供する、それは、どちらのやり方を取ることにも議論があったからだ。だから彼らは・・・えーと・・・妥協した!
これは重要だ、なぜならこの手の妥協がうまくいくことは稀だから。そう、誰もが今あるものも新しいものも欲しがる。しかし、時にこの優柔不断さをユーザーに押しつけた結果、第3の選択肢を強いる危険を冒すことになる、それは「無」だ。
via: マイクロソフトの「妥協しない」の解釈は、「妥協」の定義そのもの
私にも今のところWindows8のMetroと従来型Windowsデスクトップの「両立」は単なる妥協に見える。おそらく、tablet上ではMetroが使われ、PC上では今までと何も変わらない用にデスクトップが使われるのではなかろうか。
「インフラ」となってしまったWindowsに「Metroだけを提供する」という選択肢は最初からなかったのだろう。それは妥協そのものであり、結局ほとんどのユーザは今までと変わらず普通のWindowsの世界に住み続けるのだろう。XPの世界に。