携帯OSを何にしましょう?
2011-09-29 07:14
先日こんな写真をみつけた。
2010年6月 iPhone4に人々が行列をつくっていたとき孤独な戦いを続ける専務時代の田中社長
via: au版「ホワイトプラン」、『プランZシンプル』9月28日から開始。月額980円で1~21時のau同士通話無料
この写真を見て、KDDIに非常に好感を持った。KDDIという企業はどこで聞いても評判が悪い。実際に社員の方と接すると良い人ばかりなのに、、と不思議に思うことがある。こういうのは組織文化の問題というやつなのだろうな。
しかしこの社長には期待せざるを得ない。というかどこからかこういう人がでてくるのは、日本の大企業の強みだと常々考えている。遠くシアトルに住みながら、日本の原発について寝言を並べている中島氏だが、本業(に近いところ)では未だに的確な分析をしている。以下の意見には全く同意だ。
iPhoneを担いでシェアを着実に増やしているソフトバンクに対抗するには、妙な小細工はせずに、本業の通信の部分に総力を結集して「だれよりも良い土管」を作るしかない、という決断のように思える(iPhoneを売る事がなぜ「土管になること」に通じるかについては、来週号の週刊 Life is Beautifulで解説する)。
via: Life is beautiful: auの決断と通信事業の未来と
OpenはプラットフォームとしてのAndroidは実質的に終焉した、と私は主張している。いい加減に認めようじゃないか。auがなぜiPhoneを出すことに固執するのか。少なくとも現時点では携帯は垂直統合しなければビジネスにならない、ということだ。Googleがそれを認めた今、Motorola以外にはどういう選択肢があるのだろう?
NokiaはWindowsPhoneをとった。日本では今のところ「取っ付きが悪いが、使ってみると悪くない」という報道ばかりが流れている。しかしその後のサポートについてはどうだろう。
米国では新しいOSが公開された。その注意書きを読もう。
「そこで、われわれは意識的にゆっくりと開始することにした。今週は、10%のユーザーがこのアップデートを入手できるようにする予定。」
つまり、良いニュースは:98%の人たちが今日からアップデートを手に入れられる。みんな今すぐ取りに行こう!
しかし、悪いニュースは:わずか10%の人たちが、実際に入手、インストールして使用できる。ゆっくりとした提供は、もちろん理にかなっている。以前のWindows Phone 7のアップデートは、レンガ造りの携帯電話ぐらいひどかったから。今回彼らのメッセージは、どうにも明快でなく、用意された「私のアップデートはどこ?」もあまり親切とはいえない。繰り返すが、彼らはアップデートを今日「配布している」と言いながら、特別小さなアスタリスクの先には、このアップデートは数週間有効にならない場合があると明記されているのだ。わけがわからない。
via: Windows Phone 7.5「Mango」出荷開始
H/Wにきびしい制限をかけているWindows Phoneでこれである。Androidがどのような状態かは推して知るべしだ。(もちろんMicrosoftの開発能力に疑問符をつけることもできるが)
じゃあ他に選択肢はあるのだろうか?
Web OS ? HPのCEOはあっというまにまた変わった。どっかの国の総理大臣なみである。
他に選択肢はないのか?ニュースを見るとまたもや新しいプラットフォームが発表されたようだ。
Linux Foundation と LiMO Foundation が、スマートフォンやデバイス向けの新たなソフトウェアプラットフォーム Tizen を発表しました。Tizen はLinuxベースで、クロスプラットフォーム動作するOSおよびコアアプリケーション群、開発環境からなるオープンソースのプラットフォーム。
via: MeeGo 後継のTizenプラットフォーム発表、サムスンとインテルが舵取り
英語で読める記事には、Limo Foundationにそうそうたる企業名が並んでいる。
Also joining the effort is the LiMo Foundation, a dedicated consortium with shared leadership and decision making consisting of ACCESS, Panasonic Mobile, NEC Casio, NTT DoCoMo, Samsung, SK Telecom, Telefonica, and Vodafone.
via: MeeGo is dead: Meet Tizen, another new open source OS based on Linux | This is my next...
しかし年をとった私はこういう企業名を見てもなんとも思わない。「有名企業が名を連ねる」ことに何の意味もないことは十分思い知っているからだ。Tizenに何ができるかは結局実際に手を動かしている中核メンバーで決まる。その結果はまだわからない。