ベゾス@Amazon
2011-10-20 06:47
最近本といえばAmazonで買うことが多い。中古で十分なことが多いからだ。物理的実体を持った古本屋は楽しいが、いかんせん品揃えが少なすぎる。Amazonのマーケットプレイスではたいていの本が見つかる。
さて、そのAmazonのCEOだが、かなり面白い人物のようだ。
かつて幹部としてアマゾンに勤めた人物はある社外研修の場面を思い出して語った。数人のマネージャーが従業員はもっとお互いにコミュニケーションを取るべきだと提案したところ、ベゾス氏は立ち上がってこう力説した。「だめだ、コミュニケーションは最悪だ」
ベゾス氏が求めていたのは権力分散型の企業、さらに言えば組織としてまとまりがない企業だった。1人1人のアイデアが集団思考より優先される企業を欲していたのだ。ベゾス氏は全社的なルールとして「two-pizza team(2枚のピザのチーム)」というコンセプトを打ち出した。つまり、どのチームも2枚のピザで食事が足りるくらいの人数に参加者をとどめなければならない、ということだ。
via: セールスマンの誕生―アマゾン創業の舞台裏 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com
私は対人恐怖症の人なので、大抵の会社に行くと「もっと同僚とコミュニケーションをはかりなさい」と言われる。前職での評価面談などその話ばかりだった。(営業担当の浮気話と性病について2時間聞かされる"宴会"がどうコミュニケーションに役立つのか最後まで理解できなかったが)
しかしこの力強い言葉はどうだろう。コミュニケーションは最悪。求めているのは
「1人1人のアイデアが集団思考より優先される企業」
いや楽しい。
私が実際に(間接的にだが)聞いた話はこうだ。Amazonのエンジニアはそこそこ高い給料がもらえる。しかしCEOから
"サイトに問題がある。Fix it now"
とメールが届けば何をしていても直ちに直さなくてはならんのだそうな。
思うに彼は全くの... Steve Jobs なのさ。ファッションとデザインセンス抜きのね。 Bezos はとんでもなく頭が切れる。誤解しないで欲しい。彼の前じゃ、普通のコントロールフリークなんてヤクが極まったヒッピーみたいなもんだよ。
via: Steve Yegge の Google とプラットフォームに関するぶっちゃけ話を訳した(前編)
面白いのは実際Amazonはこの方法で成功していることだ。その道程は平坦なものではなかったと聞く。しかし成功しているのだ!じゃあチームワークやらコミュニケーションやらCEOは社員の面倒を見なくてはならない、とか言っている山ほどある書物はなんなのだ、という話になる。
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こう想像する。ビジネス成功の鍵についてかかれた本は多い。そうした本は、成功事例から共通する要素を抽出しようとする。そして多くの場合似たり寄ったりの結論を導き出す。
しかし
おそらく成功への道はもっとバラエイティに富んでいるのだ。誰かAmazon、そしてAppleの成功から「教訓」を抜き出すべきだ。ほとんどのビジネス本は、CEOによるマイクロマネージメントを肯定しないだろう。しかしAppleとAmazonはそれ故(あるいは「それでも」かもしれないが)成功した。ではここから学べることはなんだろう?