AmazonのSilk

2011-10-03 06:59

考えてみればAmazonというのは面白い企業だ。物販で収益をあげるためには、大規模な倉庫とデリバリーシステムが必要。じゃあ最適化された流通業かといえば、EC2のようなサービスを影響したりする。推薦エンジンで真っ先に名前が挙がるのも相変わらずAmazonだ。

でもって先日発表されたKindle Fireについてその価格ばかりが話題になっているが、Silkというブラウザも非常に興味深いようだ。

However, when Silk is run in cloud mode, it can off-load some of the the parts of the browsing and rendering process to EC2. In cloud mode, EC2 acts as a sort of cache plus proxy for browsing, and it also can dynamically take over parts of the page rendering pipeline from the client. Let's look at each of these features in turn.

via: Cloudline | Blog

誰がなんと言おうと、ブラウザ上で表示される"アプリ"はネイティブアプリより遅い。いろいろな理由が挙げられると思うが、一つはブラウザ上のアプリは

「インタープリタ」

であることが重要な理由だろう。結局端末上でHTMLだのJavascriptだの送られてきたものを解釈して実行しているわけだ。しかし端末上の処理能力には限界がある。特に携帯情報端末では。

でもってこのSilkという仕組ではEC2サーバーが、動的にキャッシュを行ったり、ページレンダリングを行うらしい。特に表示対象となるページが既にEC2上でホストされている場合には、非常に高速かつ容易にそのページをサーバー側でレンダリングして端末側に渡すことが可能になる。

引用した記事によれば、Opera miniは既にこのようにサーバー側で一部の処理を行っているらしいのだが、Silkはそれを動的に変更できる点が違うと。

実際にどの程度効果があるかは、使用してみないとわからない。しかし興味深い方向性であることは間違いない。次の意見にも全く同意だ。

Right now, the only company that could conceivably match Silk is Google--there's no way Apple will get anything like this off the ground in the next two years. So the ball is in Google's court to get Chrome up-to-speed, assuming that the search giant wants to do this big of a fundamental rethink of its flagship client app.

via: Cloudline | Blog

未だにサーバーサイドのサービスで実績をだしたことのないAppleには到底真似のできない技術だ。逆にサーバー命のGoogleにしてみれば

「なんでGoogleがこのサービスを作っていないんだ」

と地団駄踏む様な話かもしれない。あるいは「いやー、あれはうまくいかないんだよ」と実際のデータを元にのんびりしているかもしれない。

というわけで実際にSilkがどの程度効果を持つかについては、Stay Tunedというところであろうか。