悠長な災害情報システム

2011-10-11 06:33

金曜日はCEATECにいってきた。びっくりするほど人が少なかった。その割には、ところどころ50分まちの行列とかできている。なんだこれは。

NTT-Docomoで、Twitterを使った災害時の情報システムが展示されていた。話を聞けば

「RTされても、それが取り消されたり、訂正の言葉が流されれば元のTweetの信頼性を下げるようにしています。これで3−4時間後には信頼度の高いTweetを表示できます!」

とのこと。
今年にはいってから2度帰宅難民になっている男としてはからまずにいられない。そんなに悠長なシステムが何の役に立つのですか?すると相手は

「いや、これはたまたま3時間に設定しているだけで15分でもいいのです」

とか

「リテラシーの高い人は自分で情報を選別できますが、リテラシーの低い人はそれができません」

とかとにかく立派に説明をする。

少し前、某学会でもこういう発表をみた。それをやっているのは京大の学生さんで、まあ震災も経験していないだろうから、と聞き流した。

そこで説明している人に聞いてみる

「震災の時どこにいましたか?」

聞けば、会社にいたという。じゃあそのときに3−4時間後に情報がでてなにかの役に立ちますか?というとさすがに相手はだまった(答えるのが面倒になっただけかもしれんが)
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何度か主張しているが誰にも賛同してもらえないアイディアだが、こういう災害情報システムは、普段から用意しておくことが必要ではなかろうか。

例えばこんなことをやる。

・デマと分かっている情報をRTしたアカウントを抽出する
・「拡散希望」と書いていあるTweetをRTしたアカウントを抽出する。
・そのアカウントをフォローしているアカウントを抽出する

これだけでかなり「アカウントの信頼度分布」が計算できると思うのだ。(問題は「拡散希望」をネタでRTする人だが)そうやって普段からアカウントの信頼度を計算した上で、災害時に信頼度のフィルタをかける、というのならまだわかる。

ただ話はもっと複雑だ。こうやって静的にTweetをしぼってしまうより、とにかくわらわらたくさんみせてくれた方が助かることもある。先日の台風では、電車の路線ごとにTweetをリアルタイム表示してくれるサイトがとても役にたった。もちろん間違いもあるのだが、それは多数のTweetをみていれば、こちらがフィルタリングすることができる。

「横須賀線動き始めました」とTweetした人が、「超拡散希望」RTの常連者であってもそれは何の問題もない。実際に駅にいるのであれば、デマが交じる余地は少ないからだ。かくのごとく人間というものはややこしい。
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しかしここで直面しているのはもっと深刻な問題だ。

「自分の経験から役に立たないと分かっているシステムの研究をなぜやるのか?」

もちろん社命であればなんでもやるんだけどね。