iPhoneアプリとAndroidアプリの比較

2011-11-25 07:09

よーくよまないと両方共事実に基づいていることがよくわからない。

Androidマーケットが爆発的成長を続けている。調査会社のOvumが発行した最新レポートの予測によると、Androidマーケットプレイスのアプリダウンロード数は、今年中に81億回に達し、対するiOSは60億回だ。今年の総アプリダウンロード数の伸び率は144%に上る。今日(米国時間9/12)、モバイル調査会社、Research2Guidanceが発表したレポートは、現在のAndroidマーケットプレイスの急成長、トレンド、一番儲かっているアプリのカテゴリーなどを分析している。

例によって、Androidマーケットの大半は無料の広告収入型アプリが占めている。しかし、有料アプリはどうなのか、いくら稼いでいるのか、その価値はあるのか?同社の調べによると、8月のカテゴリー別累積収益は300ドルから2万1000ドルにわたり、平均的Androidアプリの公開以来の累積収益は2500ドルだ。これは驚くほどの額ではないものの、決して悪くない。

(中略)

では、アプリストアの伸びはどうなのか。同報告書によると、Androidマーケットはコンテンツの増加に関して、AppleのApp Storeの上を行っている。8月に2万本のアプリが増えたのに対して、AppleのApp Storeの伸びは1万5000本だった。今月初めの時点で、Androidマーケットのアプリ数は27万7252本、有償アプリの比率は35%で平均価格は3.13ドルだった。

via: Androidマーケット、60億ダウンロード間近。一番儲かるのはお天気アプリ

アプリ総数は「爆発的」に増加。ダウンロード数、コンテンツ数の伸びに関してApp Storeを圧倒。有料アプリの収益は平均$2500で悪くない。

これだけ見れば「自由なAndroidバンザイ!」と叫びたくなる。次にこの記事を読もう。

同氏は、アップル、およびAndroid Marketのデータを追跡するAndroLibからそれぞれ公表されているデータを集計。その結果、アプリのダウンロード(DL)回数ではiOSが18,566,331,811回に対し、Android Marketが約6,750,000,000回、また販売金額の比較でもiOSの4,939,611,127ドルに対し、Androidは341,765,335ドルと、いずれも桁違いの差があることがわかったという。なお、ダウンロードされたアプリ全体に占める有料アプリの割合は、iOSが13.5%に対し、Androidが1.3%。さらに、アプリ開発者の手に渡った金額についてもiOSが3,457,727,789ドルに対し、Androidは239,235,734ドルと、売上金額と同様の大きな開きがあるという。

via: iOS、モバイル・アプリ売上でAndroidを圧倒(米アナリスト) - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

明らかに矛盾しているのは、アプリのダウンロード回数。こちらの記事ではApp Storeが3倍近いことになっている。

しかし他の点においては「明らかに間違い」と指摘できる点はない。前の記事と明白な矛盾はないのだ。

・アプリの数の伸び:Androidの勝ち
・有料Androidアプリの平均収入:$2500
・アプリの販売総額:App Storeが10倍以上
・アプリ開発者の手に渡った総額:App Storeが10倍以上
・「ダウンロードされた」有料アプリの割合:App Storeが10倍以上
・Androidマーケットに「存在している」有料アプリの割合:35%

-----------------
ここで興味深いのは、仮に同じデータを元にしたとしても、選ぶ指標の違いでこれほど印象の異なる記事がかける、ということだ。前者を読めば

「Andoirdバンザイ!」

と叫びたくなるだろうし、後者を読めば

「iOSつおい!」

と叫びたくなる。こういう断片的な記事は、それに付随する形容詞ではなく数値を慎重に当たらなければならない、という認識を新たにする。

とはいえ、そうした「印象語で読者の認識を誘導しよう」という記事にも優劣がある。こんなのは論外。

急速に拡大するタブレット端末市場で、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載端末の販売台数が、米アップルの「iPad(アイパッド)」に肉薄しつつある。すでにスマートフォン(高機能携帯電話)ではアンドロイド陣営が「iPhone(アイフォーン)」を上回るが、タブレットでもアップルの"牙城"を崩す日は近そうだ。

 (中略)
 調査会社BCNの調べでは、日本エイサーが7月に発売したタブレット端末「ICONIA TAB(アイコニアタブ)」は、同月の機種別シェアでアイパッドを上回って1位を記録した。9月に発売されたソニーの「ソニータブレット」も「計画通りの売り上げ」(同社)と好調という。

 タブレット端末販売台数シェアは8月にアイパッドが6割を切り、10月には56.8%(前年同月は97.5%)となった。BCNの森英二アナリストは「アンドロイド陣営が増え、ラインアップも多様化しているので、相対的にアイパッドのシェアは落ちるだろう」とアンドロイド端末の"逆転"を予測する。

via: アップルの牙城切り崩しへ攻勢 アンドロイド勢、スマホに続きタブレットも (フジサンケイ ビジネスアイ) - Yahoo!ニュース

既にネタと化している「ICONICA TABがiPad2を逆転!」をソースとして使ったり、アナリストの「相対的にシェアは落ちるだろう」というコメントに"逆転"を予測と文章をつないだり。

まあ製品売らないと生きていけないから、いろいろ努力するのは大切だと思う。ソニータブレットも「計画通り」の好調な売れ行きとのことで素晴らしいですね。先日Google Developer Dayに行ったのだが、DocomoとSonyのブースが隣り合って設置されていた。DocomoがデモしていたGalaxy Nexusには列が出来ていたが、Sony タブレットの前には空間だけが存在した。あまりに誰も触らないので、

「これ、触ってもいいですか?」

と聞いてしまったほどだ。