「女性向け」製品に必要なもの
2012-02-21 06:52
子どもをつれて公園に遊びにいく。公園には同じような境遇と思しき親子がいる。
さて、ここから男親と女親では対応が分かれる。
男親同士は滅多なことで会話をすることはない。肩を丸め、時々会社のメールなどチェックしながら子供を遊ばせる。
女親の場合は、親どうしの会話が始まることもある、、、らしい。聞いた話では。というか「男親同士は会話をしない」という事実はどうもうちの奥様には納得いただけないようだ。
かくのとおり「会話」というものが生活の中に占める重要性は男女で差がある。
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さてこれを念頭においた上で、以下の記事を読もう。
女性用アプリをあらかじめ端末に盛り込むことは、女子スマホ黎明期(れいめいき)の当時としては異例だった。
via: 夢の中でも「女子ライフ」を考え続けたパナ技術陣 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
このアプリについて、チームリーダーの商品企画グループ参事、村本武志(41)は「今はスマホの過渡期。いかに利便性を実感して楽しんでもらえるか、ファーストスマホの提案として、さまざまな機能を盛り込んでみよう」と考えていた。
チームの賛同を得た池田は張り切っていた。画面は時間の経過とともに背景の色を変え、夜には自分の星座の星がきらめく。「フューチャープラスでも、デコは欠かせません!」とロマンチックな演出をアピールした。
女性向けの機能てんこ盛り。実に「日本メーカー」らしい。夢のなかでも女子ライフを考え続ける。これも日本企業では賞賛されることだ。
しかし気の毒なことに、彼の努力は次の言葉でゴミ箱行きとなるのであった。
女が欲しいのは機能とか利便性とかより、共通の話題なんじゃないかね。
via: 政経ch - 【企業】 「女性の多くがガラケー使用。スマホを買わせるには...どうすればいい?」...男ばかりの-女子スマホ-開発チーム
ぶっちゃけ、電池の持ちが悪くても「すぐ電池なくなるよね~」とかって
話題が共有できればおkみたいな。
片手で操作できるとか、電池の持ちがいいとか、操作性がいいとか、
アプリが便利とか、そういうことを考えている時点で男脳から
抜け出せてないんだろうな、と。
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数年前、ある美大の卒業制作展示を見ていた。そこで提案されていたのは、
「女性同士が複数で買い物に行ったとき、ちょっと休もう、とはいった喫茶店にあるといいな」という情報提示テーブルだった。
(どうやって実現するかは問わないで)それまでに店でチェックした服がそれぞれの前に表示される。それをテーブルの中央にもってきたり、捨てたり。。
ここで情報推薦で博士号をとったA君(仮名)はこう意気込む。
「なるほど。ではそれまでに選んだ服から最適な服を提案する情報推薦機能を組み込みましょう!」
しかし不幸にしてA君の気合は全く方向性を間違えている。彼は暗黙裡に
「女性は最も自分の好みにあって高品質で安価な服を手に入れることが目的である」
と仮定しているのだ。この仮定自体パナソニックのエンジニアと同じくらい間違っている。
その展示を説明してくれた女性は私にこう言った。
「ここで重要なのは、女の子同士あーでもない、こーでもない、と楽しくおしゃべりすることです」
つまり目的関数が全く間違っているわけだ。
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機能がどうとかマルウェアがどうとかそんなことはどうでもいい。みんな持ってる。同じ話題に参加したい、というのが女性がスマホを買う根源的な動機なのではないかと思う。しかしなんだね。こう考えると男性向けにキャズムを超えるのと女性向けにキャズムを超えるのでは何かずいぶん差異があるのではなかろうか。
というかiPhoneはどうやってこのキャズムを超えたのだろう。