スクロールバーの変遷

2012-03-30 06:46

調子にのってiPadを5.1にアップデートした。するとXCodeが

「このiPadは開発に使えません」

というようになった。げげげ。

慌てて調べれば、iOS5.1上で動くアプリを開発するためには、XCode4.3.2を使う必要がある。そしてXCode4.3.2はSnow Leopard上では動かない。MacをLionにしなくちゃ。

というわけで泣きながらLionにアップデートした訳だ。最初は

「なんだかボタンのデザインがチャチだなあ」

と思ったがなれというのは恐ろしい。今や個人で使っているSnow Leopardに戻ると

「あれ、2本指スワイプで前の画面に戻れないの」

と思う日々である。

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とここまでが話の前段。実はMac OSでは近年画面右端にでているスクロールバーが人知れず変化を続けている。

その昔スクロールバーの両端には矢印ボタンがあった。それを押すことにより連続的にスクロールすることができたのだ。そしてスクロールバーのバーの部分をぐいっとつかんでもスクロールすることができる。

そのうち両端にあったスクロールボタンは片側-下側-に集まることになった。最初は違和感を感じたものだが、そのうち気にしなくなった。そもそもスクロールボタンを使わなくなったのだ。だからそれがどちらにあっても気にしない。

そしてLionを使っているときふと気がつく。そもそもスクロールボタンが消えているではないか。ユーザがスクロールをしようと思えば、そのときだけ現在画面に表示されている範囲を示すバーが表示される。しかしそれだけだ。つまりスクロールバーはいつの間にはほとんど消え去ってしまったのだ。

私は今「いつのまにか」と書いた。それほどこの「大変化」は人に知られることはない。なぜかといえば、ほとんどの人が今やスクロールにスクロールバーを使っていないからだ。マウスのホールをまわす、あるいはトラックパッドの上スワイプする。そのどちらにもスクロールバーが介在する余地はない。ただ自分がスクロールしている場所が全体のどのへんか示すだけである。

何を細かいことを言っているのかといわれるかもしれないが、これは大変化である。スクロールバーのデザインは、Macintoshがこの世の中に現れてから、ちょっと前まで変わらなかった。それがごっそり変わったのだ。

何よりもショックなのはそれを誰も話題にすらしないこと。なぜかといえば、iPhoneにスクロールバーがないからか。。。

思えば2007年1月、あの瞬間は本当に大きな「転換点」だったのだ。それ以来作られる携帯電話はみんなiPhoneのようになった。今ではほとんど知る人はいないだろうが、そもそもAndroidはこんなものだったのだ。

「もう一つ言っておきたいのは、Androidの開発はiPhoneより前に始まっていたことだ」。その通りだEric。ただし、それはこんな風だったよね。

それだけ。

via: エリック・シュミット:モトローラ・モビリティーは優遇しない

あの瞬間以降、「あたりまえ」が大きく変わった。確かに携帯電話がすべてiPhoneになったことに比べれば、スクロールバーの変化など「微々たるもの」なのかもしれない。