Smoked by Windows PhoneにみるMicrosoftらしさ
2012-03-28 08:51
最近知ったのだが、CES2012でMicrosoftがこんなキャンペーンをやったのだそうな。
CES 2012の会場で行われたWindows Phoneと他のスマートフォンの対決企画です。Windows Phoneを持ったMicrosoftの担当者と、AndroidやBlackBerryといったデバイスを持った挑戦者による対決形式で行われました。
内容は、様々なタスクをWindows Phoneと他のデバイスでトライし、どっちが早く完了するかを競うという非常に単純なものです。Windows Phoneに勝ったら100ドルがもらえるという、何とも豪快アメリカンな催し物なのですが、内容を追ってみると非常に興味深いので、見てみてください。
via: CES2012: 他のスマホと対決する「Smoked by Windows Phone」イベント - ななふぉ
CES会場ではWindows Phoneが圧勝したようなのだが、これをRetail Storeでもやっているらしい。もしWindows Phoneより早くタスクをこなしたら、$1000のPCとWindows Phoneがもらえるのだそうな。
それでもって起こったこと。
The Windows Phone Challenge, provocatively dubbed "Smoked by Windows Phone" by Microsoft, appears to have suffered its first defeat at the hands of a competing smartphone this weekend, and Microsoft's response has reportedly been less than sporting.
via: Smoked by Galaxy Nexus: Windows Phone challenge defeated by Android 4.0 | The Verge
話としてはこうらしい。「二つの都市の天気を表示する」タスクをどちらが早くこなせるか?が課題。でもってMicrosft Retail Storeの人は、この課題に向けスタートスクリーンに二つの都市の天気を表示させていた。
チャレンジャーは、Android (Nexus)で同じようにWidgetを表示させていた。しかし彼はそれに加えて、ホームスクリーンをアンロックしていたらしい。そのため、Power Buttonを押すだけで二つの都市の天気を表示でき見事「勝利」したと。
ところがMicrosoftの人は「二つの異なる州の二つの異なる都市の天気を表示しなければならない」と言出し、勝利を認めなかったと。この「騒ぎ」への最初のMicrosoftの反応は
Microsoft's Ben Rudolph, the man playing a central role in pushing the Smoked marketing campaign, has offered Sahas an apology for the hassle and a rematch on a random Windows Phone challenge.
via: Smoked by Galaxy Nexus: Windows Phone challenge defeated by Android 4.0 | The Verge
つまりランダムに選んだ課題で再戦しよう、というもの。結果として騒ぎはもっと大きくなり、この同じ人は2時間後に
Microsoft has been roundly bashed for this technicality since then, so Windows Phone evangelist Ben Rudolph has just taken to Twitter to apologize and offer Katta a new laptop and Windows Phone, as well as an apology
via: Microsoft apologizes over 'Smoked by Windows Phone' controversy, offers winner laptop and phone | The Verge
ごめんなさい。ラップトップとWindows Phoneあげるよ、というはめになった、と。
こういう「的を外した傲慢なキャンペーン」はSony でもやりそうだ。その場合、ソニーは決して負けを認めないだろう。そう考えれば、Microsoftの今回の処置は「悪くない」ものだといえる。
しかし
問題はそこにはない。Windows PhoneのUIがすばらしいものだ、ということは多くの人が認めている。しかし現実には全く売れていない。
なぜか?という問いに対する答えの一つがこのキャンペーンにあると思うのだ。
Microsoft製品は、企業に勤務するものにとっては税金のようなものだ。つまり使わざるを得ない。そしてそこでは「作業の効率性」がなによりも求められるのだろう。
しかし
携帯電話に対して、作業の効率性を一番に求める人間がどこにいる?最近iPhoneにウサギの耳のついたカバーをつけている女性をよく見かける。
あれをみれば
「最小、最薄」
に心血を注いでいるメーカーの人は血涙を流すだろう。そこまで苦労して小さくしたiPhoneに何の役もたたないうさぎの耳をつけているのだ。
しかし
それが消費者というものだと思う。企業に大量にお買い上げいただくときには
「Windows Phoneを使えば、Androidよりも生産性が30%アップ!」
でいいと思うけどね。
考えてみれば、Windowsはとても売れているけど、それはMicrosoftが一般消費者向けのマーケティングに長けているからではないような気がする、、というのはApple狂信者の妄想かな。