モチベーションを高めよう
2012-05-16 07:08
昨日録画しておいた「らららクラシック」という番組を見ていた。
母の日にちなんだ特集ということで、「大作曲家」とその母についてあれこれやっていた。例えばモーツァルトの母は、息子(つまりモーツァルト)が22歳の時一緒にパリに行き、彼の「営業活動」を見守っていたのだそうな。息子の方はいろんな人と楽しくやっている時に「邪魔しちゃいけない」と独りでひっそりしていたのだとか。
後に大作曲家となった人の、何人かは両親から強烈な反対を受けている。そりゃ今も昔も芸術の人の生活は不安定だしね。ある男は、母の支援でこっそりバイオリンを練習していることが父親に知れ、バイオリンを破壊されたとか。
印象に残っているのは作家である石田氏のコメント。
「でも反対されたほうが、自分のなかで意欲が固まるじゃないですか」
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結局のところ大成するのはこういう人×こういう分野なのではないかと思う。切っても切っても金太郎飴のごとく(本当は同じ顔がでてきちゃだめなんだけど)めげない分野で無くてはダメなんじゃないかな、と。
先日こんな記事にでくわした。
10. 作ったらクソゲー前提:「ゲームのおもしろさは、仕様書では表現しきれない」 作ったばかりのゲームはすべからくクソゲーである ゲームデザイナーなら価値ある仕様を作れるべき、という過 度な期待を下げてくれる言葉。こねくり回して改良していくプロセスこそ価値逆に言えばこねくり回せない組織はクソゲーしか作れない 11. 組織でこねくり回すのは難しい他人の仕事を無にしてしまうコミュニケーションを、積極的に取る必要がある 「UIがクソだからやっぱこうする」 → プログラマ・アーティスト「えー」(中略) 12. チームとして全力で会話する「この部分はクソなのでやっぱこうするわ」 これを、自己否定になっても言えますか? 怒り、呆れ、諦めをあらわにせずに受け取れますか? 予算、トップの企画承認など、既に決まったことに対して も、ダメであることを認めて積極的に取り組めますか? via: クソゲーを作る組織とそうでない組織 2012 05-12
ダメなものはダメ。これをちゃんと言えるような組織でなくてはまともな製品は作れない。
こうしたダメ出しにおいてSteve Jobsは実に強烈な人間だったと聴く。それでも優秀な人間がAppleには集まり、結果としてすばらしい結果を出した。
アップルの幹部チーム(executive team)が優れていることを否定するひとはいない。一方、彼らは単なる操り人形に過ぎないと信じたがっているひともたくさんいるようだ。しかしこの二つの考えは相容れないものだ。Jobs は正しい。優れたひとびとは優れたアイデアがいつも負けることには耐えられないのだ。彼らは去って行くだろう。幹部チームが比較的長続きしているのには理由があると思う。彼らは、年功序列や社内政治により沈黙させられたり、失敗を生み出したりせず、一貫して勝者であることが好きなのだ。
via: もしもジョブズがいなくなったら・・・ « maclalala2
であれば、「部下のモチベーションを高めるしかり方」なんてのも少し別の角度から考えることができるのかも、と思ったりする。「結果」に対してダメ出しをするのであって、それに関わった人間にダメ出しをするのではない。この区別を言葉にすることはできるが、実際にはほとんどできない。(できる人間を観たことがない)
それでもめげない。じゃあこれはどうだ、と出してくるくらいでないとダメなのだろうなあ。そして根っこの部分で
「誰が言ったか、より何を言ったかを重視する」
でないとこうしたことはできないのだろう。実際には多くの組織がその反対の原理で「評価」を行なっているのだが。