TVの暗号を解読すること

2012-05-10 06:59

「テレビ好き」

従業員を雇うなら、テレビ好きな人を雇え。どうにでもなる。お前が相当馬鹿でも、馬鹿だとばれない。

via: 強面の社長が教えてくれた人たらしテク | Commte.net - コムテ

そういう人間を雇って意味があるかどうかは別として、TVをだらだら見ている人間に対する評価としては妥当だと考える。

今日こんな記事を見つけた。

LGエレクトロニクス・ジャパンは5月9日、5シリーズ計14モデルの「LG Smart TV」を6月初旬から販売すると発表した。VODやゲーム、SNSなど多くのネットワークコンテンツに対応し、新しい「マジックリモコン」で操作性の向上を図ったスマートテレビだ。発表会に登壇した同社マーケティング統括の李起旭常務は、「スマートテレビは近い将来、ライフスタイルを変える"窓"になる」と胸を張った。

via: マジックリモコン採用:LGエレ、日本向けスマートテレビを5シリーズ一挙投入 (1/2) - ITmedia +D LifeStyle

まあメーカー名がLGだろうが、シャープだろうがソニーだろうが似たようなものだ。(作っている人たちには悪いが)なぜTVというのはこうも退屈なのだろう、と思う。

携帯電話の商品企画は携帯電話事業者向けに企画を練る。テレビは量販店で売ってもらえるように企画する。どちらもユーザのことなど二の次。

 こんな機能ぜったい使わないよな~、とか思いつつも、量販店からOKが出れば成功と。

via: そういえば携帯電話とテレビの商品企画はよく似ている: 無指向な嗜好

既存の価値体系が行き詰まった時、打破する案は絶対にその価値体系の中からは出てこない。パラダイムを変えるということは、ゲームのルールを変えるということであり、簡単にいえば

「今いい思いをしている人に大迷惑をかける」

ことなのだ。
そうわかっていても、サラリーマンにできることはない。量販店においてもらえなければ価値がない、と言われれば量販店さんに良いと言ってもらえるものを作るだけだ。

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おそらく間違っていない事実として

「TVから番組を売ろうとしても売れない」

ということがあげられる。

何人かの関係者に話を聞いたところでは、業界関係者が試しに買うことも多かったであろうサービス開始第一週の売上げは3万円に届かず、翌週はそれをさらに下回ったという。

via: 本田雅一のTV Style:"ノット"や"もっと"について考える、いくつかのお話(その3) - ITmedia +D LifeStyle

DVDの旧作が100円で借りられるご時世に、新作ドラマ一本みせるために400円とる神経には感服する。感服はするが、誰もそんなものに金は払わないのだ。


というわけで期待はいきおい「他人の迷惑かえりみず」のAppleに向くわけだ。Steve Jobsが解いたと言っていた「TVの暗号」とはなんだったのか。

Continuing a long string of recent exclusives that quote un-named sources, CultofMac today claims that someone who saw the Apple HDTV says it looks like a bigger Cinema Display with an iSight camera and Siri, according to the post.

via: Rumor: Apple HDTV looks like a Cinema Display with iSight and Siri says anon source | 9to5Mac | Apple Intelligence

Siriが統合される。多分、そうだろう。TVはリビングに置かれた巨大な鏡であることを理解すれば、iSightをつけるのも理にかなっている。

ではそれだけだろうか?個人としてはそうでないことを祈りたいが。

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映像を制作し、配信し、ユーザが視聴する。この図柄の中でどこにお金が溜まっているのだろうか。映像プロダクションというのは大変な仕事だと聴く。世の中に売れなくて困っている役者はたくさんいる。となると儲けているのは誰だろう。

この図柄を「他人の迷惑顧みず」変えようとすればどういう手立てがあるだろう。既存の映像サプライチェーンに頼らない「独自に配信、コントロールできる映像製作システムの確立」なんてやってもらえないだろうか。
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と、投げ出したところで話はTVと同じくらい進歩のない業界、車の中に移る。先日こんなサイトが公開された。





アルペジオは施設検索や音楽再生などといったスマートフォン用のアプリケーションを、スマートフォンの操作感を維持しつつ、車内で安全に据置型カーナビゲーションシステムのディスプレイ上で操作できるようにした車載連携情報サービスです。



via: カーナビ連携スマートフォンアプリ ARPEGGiO(アルペジオ)

リンク先HTMLのソースを見てもらうとわかるが、5/8用とフル公開用というコメントが存在しており、多くの機能がコメントアウトされている。

全く関係ないお気楽な消費者としての私なら

「こんなにComing Soonが多いサイトは観たことがない。こんな状態で公開する見識を疑う。そもそもデンソーはB2Bの企業であり、、、」

とか書くところだが、元中の人としては

「いろいろ苦労があったのだろうな」

と涙せざるを得ない。これだけのシステムの仕様を決め、アプリを揃え、各社の了解をとり、などと考えただけで気が遠くなりそうだ。そしてその苦難の道は今も続いているのだrと思う。

とはいえ、TVを作っている人たちも同じような苦難を乗り越えているのだと思う。作り手がどんなに苦労したかなど全く関係なく、消費者というものは買いたいものを買う。応援してます。頑張ってください。