日本のITベンチャーが残念なのはJokeの差のせいだ

2012-06-11 07:04

ということを思いついたので書く。

まじで嬉しい。坂口さんもスタッフも喜んでます。まだまだこれからだけど。最初のケースとして出てくれた坂口さん、支援いただいた皆さんには頭があがりません。応援、意見してくれたみんな、徹夜で対応してくれたスタッフのみんな。本当にありがとう。そして、ごめんこれだけは言わせて...ざまーみろ!

via: Twitter / hbkr: まじで嬉しい。

もちろんもっとまじめにこつこつ頑張っている人がいるのだが、なぜ目につくのがこうした例や、コンプガチャだったりするのだろうか。

冗談じょうだんも度を過ごせばいたずらだ。焼餅やきもち黒焦くろこげのようなものでだれめ手はない。田舎者はこの呼吸が分からないからどこまでして行っても構わないと云う了見りょうけんだろう。

via: 夏目漱石 坊っちゃん

というわけで誠に遺憾ながら、我が国のITベンチャーは「この呼吸がわからない田舎者」ばかりが目立っているのが実情だ。

いや、そういうネガティブな事を言うから日本には立派なITベンチャーが育たないのだ、という議論は横耳で聞いておいて、先日こんな文章を見つけた。

The thought was: "Let's think of the most ridiculous possible app that no one would ever consider a real thing, and make that," says Mr. Cornell.

Silicon Valley took his joke seriously.

By December, Mr. Cornell's employer, start-up Firespotter Labs of Pleasanton, Calif., had created Jotly, a real rate-everything app that attracted tens of thousands of users. By that time, Jotly had at least two legitimate venture-backed competitors, one of them named Oink.

via: Appsurd: In Silicon Valley, - WSJ.com

シリコンバレーでは、冗談をいうのも簡単ではない。ある人が「悪ふざけ」で

「あまりにも馬鹿げているので誰も本気にしないようなアプリのideaを考えよう」

といってアイディアを出した所、本当にそのアプリが作られてしまった。それどころかそれが何千人ものユーザを獲得するころには、同じコンセプトをもったアプリの競争相手まで現れたとのこと。

ここで挙げられている「馬鹿げたidea」とは「何にでもグレード(等級)をつけられるアプリ」なんだそうな。ゴミ箱の缶に「隠れ場所」としての等級をつける、とかなんとか。

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もちろん私はここで「極端な例と、反対方向に極端な例」を比較している。しかしどうしても標題のようなことを考えざるを得ないわけだ。つまり

「日米のITベンチャーの差異というのは、つまるところの日米Jokeの質の差」

なのではなかろうか、と。
私はアメリカにいるときはTVを見るが、日本では(NHKのニュースと子どもと見る"銀河にキックオフ"以外)みない。あまりに「笑い」の質に差があるからだ。

この「笑い」というものはなかなかの力技であり、かつ大人をくすりとさせようと思えばただの悪ふざけではない知性が必要とされる。

でもってそんなことは気にかけず

「みんなで徹夜したよ!ざまーみろ!」

と叫んでしまっては誰も笑ってくれないわけだ。なーんとなくこんなところに原因があるような気がする。

ちなみに米国にもこういう「残念なベンチャー」は存在し、私が知るかぎりではGrouponがそうした文脈で取り上げられることが多いようだ。最近日本で聞かないけどどうしたのかな。