ガラスマに思う

2012-07-13 07:41

というわけでいつものネタです。すいませんねえ。
このグラフを見よう。

次に示す3つのグラフは、大手メーカー各社の平均販売単価(ASP:左のグラフ)、売上(中央:単位は10億ドル=billion)、それに営業利益率(右)の推移をまとめたものである。

201207061230_3.png

via: RIMの「きりもみ急降下」と復活の可能性 - Asymco - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

実に印象深いグラフだ。一番右のグラフを見ると、Appleの平均販売単価が突出していることがわかる。この「単価」には付帯サービスからの売上もはいっているので、このような「差」がつくとのこと。

そして一番左のグラフは経常利益率。これでみると、RIMの急降下ぶりがわかる。BlackBerryの次期OSは来年まで延期されたとのことだが、果たしてそれは日の目を見ることがあるのだろうか。MotorolaはGoogleの一部として、「利益を度外視して」存続するだろうが。そしてSE-Sony Ericsson、現在はソニーの急降下ぶりもRIMに引けをとらない。

デジタルカメラなどの「デジタルイメージング」、スマートフォン(高機能携帯電話)などの「モバイル」、そして「ゲーム」の3分野を重点領域に位置づけて経営資源を集中し、業績回復を急ぐ考えだ。

via: ソニー、新重点3分野で稼ぐ新体制構築へ テレビなど従来型AV事業は平井新社長が直轄 - MSN産経ニュース

モバイルはソニー全体での重点分野の一つなのだが、この調子で果たして「牽引力」になりうるのだろうか。

それ二社以外のメーカーには「どんな対抗の(生き残るための)材料、できることならゲームのルールをひっくり返して自社が有利に勝てるような材料があるだろうか」、もし材料が見あたらないとすれば「しばらく赤字を覚悟してまで事業を続けることを正当化する理由はなんだろうか」

via: iPhoneは何を破壊したのか - (page2) - ZDNet Japan

さらに、このチャートに現れもしない、富士通、シャープ、パナソニックなどはいつまでガラスマを作り続けるのだろう。いや、大事なお客様であるキャリア様のご意向ですから、などといつまで言い続けられるのだろう。

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日産と、ウィルコムの「復活ストーリー」には共通点がある。両方とも「外部会社による買収」をきっかけに復活し始めるのだが、そこで行われた施策は

「もともと社内で言われていたこと」

ばかりだったと聞く。つまり何か新奇な打ち手や、Magicが存在したわけではない。「こうするべきだよね」と社内で囁かれていたことが、なかなか実行できなかったのが、マネージメントの変化によって可能になっただけだと。

そう考えれば、ソニー、パナソニック、シャープを復活させる方法はおそらく社内に存在しているのではないかと思える。欠けているのは

「非難と、軋轢をおそれずそれを断行する経営者」

だけだ、、、と想像するのだが。いや、もちろん「いや、その打ち手がわからないっす」という状況である可能性も存在するのだけど。