Direction, please
2012-08-06 06:56
サラリーマンをやっていると何度か「引越し」というイベントに遭遇することがある。いろいろな会社で引越しをやったことがあるが、思うのは
「その会社の特質がよく出る」
ということだ。もちろん昨今は業者にお任せのパターンが多いのでそうも言えないが。
引越しで一番いらいらするのが「何をすべきか誰にもよくわからない状態」だ。人数はやたらと存在しているのだが、なーんとなくそこらへんにつったっている状態。あれが一番いやだ。多少間違っていてもいいから
「じゃあこれをしよう」
と誰かがDirectionすれば話は簡単に治まるのだが。
というわけで今日読んだこの記事。
スウェーデン・ウプサラ大学のMikael Elinder氏らは、1852年から2011年までに沈没した18隻の船に乗船していた、30カ国以上の国籍からなる乗員、乗客1万5千人を調べた結果、色々と興味深いことがわかったようです。タイタニック号の事故では、成人男性の生還率が20%だったのに対し、女性や子供の実に70%が助かりましたが、同氏らの研究結果によれば、上記事故例全体では、女性の生還率は男性のほぼ半分だったそうです。特に、第一次世界大戦(1914-1918年)以前や、英国船の沈没事故、乗客に占める女性の割合が低い場合などの女性の生還率は、かなり低かったようです。一方で、船長や船員の生還率は、乗客の生還率より群を抜いて高かったようです。
via: タイタニック号の美談は非常に稀な例外だった - サイエンスあれこれ
船の沈没は、引越しどころの騒ぎではない。そして映画にもなったタイタニックを除けばほとんどの場合
「船長や船員が優先的に逃げ出し、女子供を見捨てる」
というのが事実なのだそうな。太平洋戦争中、帝国海軍軍艦の艦長はやたらと艦と運命を共にしたらしいが、あるいはそれにも理があるのかもしれない。
しかし「美談」と「惨劇」を分けるのは実は一つのDirection だったかもしれないのだ。
なんともやるせない結果となってしまいましたが、そんな中、わずかな希望の光もあったようです。女性や子供の生還率を最も左右したのが、彼らを優先的に助けるようにという船長の指示だったというのです。
via: タイタニック号の美談は非常に稀な例外だった - サイエンスあれこれ
沈没するまでの時間が長かったことが、タイタニックでパニックが起きなかった原因という調査結果もあったが、どうもそうも言えないらしい。つまるところは船長が
「女性、子供を優先して救命ボートに乗せるように」
と断固として指示することが、事態を変化させるとのこと。
かくのごとく、何をしたらよいかわからなくなった時には、リーダーの一言が大きな違いを生むことがある、、、などと妙な感慨にふけっているのは「誰がリーダーかわからん」プロジェクトで、なかなか進まない検討にいらいらしているからなのだが。