Songriumを使ってみたよ
2012-08-13 08:31
産総研後藤さんのTweetでSongriumなる新しいサービスがリリースされた事を知る。
独立行政法人「産業技術総合研究所」(産総研、AIST)は8月7日(火)、"つながりを用いたあたらしい音楽鑑賞"を目指す音楽視聴支援サービス「Songrium(ソングリウム)」のアルファ版を公開しました。ニコニコ動画に投稿されたVOCALOID楽曲を、満点の星空を眺めるように楽しむことができます。
via: ボカロ動画を星空のように楽しむ「Songrium」、産総研が公開 - はてなブックマークニュース
をを、これは、ということでさっそくアクセスする。するとでてきたのはこんな画面だ。
私が愛する(実はこっそり歌っていたりもするのだが)「サイハテ」があるではないか。ではさっそくクリックしてみよう。するとこんな画面が表示される。
ここで私は「ガクッ」となり床に手をつく。何が書いてあるかわからないからだ。年をとって細かい文字が読めないからかもしれぬ。若い人ならこの重なった小さな文字が読めるのだろうか、とも考えるのだが。
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実は最近ある文章を書いている。「ユーザインタフェース開発失敗の本質」という名著にぶらさがろう、というさもしい根性丸出しの題名をつけている。その中で主張していることの一つが以下の命題
「システムがデータを解析する部分と、ユーザに見せる部分は分けて考えなくてはならない」
システムがものすごいアルゴリズムを使ってアット驚くような結果を出したとしよう。それは偉大なことだが、それをユーザに見せるときにはまた0から考えなくてはならない。
人間というのは実に厄介なもので、「真実」を告げられたからといってそれに感動し、従うわけではない。文章中(というか某雑誌に掲載していただいた文章に書いたことだが)で挙げているのはこういう仮想的な例だ。
この例にピンとこない方はレストランにこれから述べる 「メニュー推薦システム」があるものと考えてほしい。そ の人の性別、体重、年齢、食習慣をデータとして最適なメ ニューとその理由を教えてくれるシステムだ。そしてメ ニュー推薦システムは体重を気にしている女性に対してこ う情報を推薦する。「あなたには七草粥を推薦します。なぜなら明らかに太りすぎ、かつ食べ過ぎだからです」
その結果何が起こるだろうか。「ユーザプロファイルを 元に、医学的な見地からも最適なメニューを推薦し、その 理由まで説明しているのに何故受容度が低いのだろう」な どと言ったところで事態が改善される見込みは薄い。
こういう大規模なデータを解析する人というのは、多分「こんなにすごい結果がでたのだから全部表示しなくては」と思うのではないかと推測している。結果として見せられたほうが「あれこれあってわからない」という感想を抱くことになる。
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などと文句ばっかり言っているお前は、このデータを見せるのにどんなインタフェースを提案するのだ、と誰も聞かないと思うが、自分で言ってしまおう。
私が作るとすれば、画面を静的なものと考えずに、動的にどんどん変化するものと考える。
・たくさんのつながりがある
・それを全部画面に表示しようとすれば、字が小さくなり、重なって読めない。
こうした問題を解決する一つの方法は、「一つの情報を無理なく読める程度に大きくし、それをどんどん流してしまう」というものである。
例えば、Goromi-Tubeのインタフェースを元に左側にサビ検索などを含む動画再生部品を表示しし、右側には「選択した関連性」で結び付けられた動画を流す。開いているスペースに「この動画にはこの"関連性"が定義されています」というのを表示する。各関連性には代表的な動画のタイトルとサムネイルを一個だけつけておく、、とかいう風に私ならするだろう。あるいは前後左右に動画をならべ、複数の関連性を表示するかもしれない。
とかなんとかいうことは簡単だが、じゃあお前が作ったGoromi-Tubeは誰かが使っているのかと言われると「すいません。ゴーストタウンです」と全力で謝ってしまおう。
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もう一つ考えなくてはならないのは「星座のように配置されている動画の関連」を遠景として表示する方法だが、、こちらのほうには良い知恵がない。そもそもどう見えるとおもしろいんだろうね。