仲のいい研究室
2012-11-21 01:16
今年のWISS2012でのネットワーク使用方針が公開された。
登壇発表セッション中は、プログラム委員長の方針により、今年度は実験的にメイン会場内の参加者ネットワークの外部接続を遮断します(チャットなど内部サーバへのアクセス制限はかかりません)。
産総研の後藤さん曰く「伝統的に革新的」だったWISSならではの素晴らしい取り組みだと思う。
去年のWISS2011でも会場内チャットが提供されていた。しかしそこで発言するのは「どこかで聞いたような名前の人達」ばかりであったのも事実だ。
発表後の質疑応答になかなか学生さんが質問してくれない、というのも問題になっていた。
こうした問題の原因はおそらく複雑で、一つに特定できるようなものではない。しかし私はあることに気がついていた。何人かの学生さんはずっとチャットでしゃべっていたのだ。
しかしそのチャットは「研究室ローカル」のもののように思えた。つまり彼らは外部のワークショップにきながら、居心地のよい「こたつ」に閉じこもり友達同士で会話していたのだ。
だーれも理解してくれなかったようだが、去年のプレゼン最後のチャートで示した
「炬燵にとじこもっていちゃだめだ。上を目指さなくちゃ」
というメッセージは(こう書いていて耳が痛いが)炬燵に閉じこもっていた学生さん達に向けた物でもあった。研究室というタイトルの影に隠れているのは、大企業のロゴが自分の名前の一部だと勘違いしている老人と同じくらい恥ずかしいことだよ。
今年のWISSでは炬燵が撤去される。その結果が楽しみだ。
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話はこうだ。ネットワーク接続をどこでも提供できるようにしようとしたのは、20世紀の取り組みだ。
今は
「ネットを時々使い、時々オフにする方法」
について考えるべきだ。先日参加した「ネタバレ防止」もその一つの考え方だし、不便益もそうかもしれない。
数人でテーブルを囲んでいるが、全員手にもったスマートフォンを眺めている。こう文字にすると冗談のようだが、実際にそこら中で起こっている事象でもある。この現状に何の問題も感じないですか?そうですか。