で、お前はどう思うんだ?

2012-12-26 07:34

人は人の感情に共感したり、反発したりする。「感情」を表した記号ではなくて。

何を書いているかわからないと思うが、最近結局これが一番重要なのではないかと思い始めている。

例によって任天堂のWii Uに関する対談から。



ただ、共感をしてもらうようにつくるには

やっぱり、自分がよく考えるとか、

自分が実際に感じてることを通して

ものをつくらないとダメですよね。


via: ゲーム機の電源を入れてもらうために。 - ほぼ日刊イトイ新聞

-----------------

インタラクティブなシステムに関する研究発表を聞いていて「おわ、これはすごい」と思う時と自分でも説明ができないいらだちを感じる時がある。

「いらだち」を感じる発表というのにもいくつかのパターンがあるようだが、そのうちの一つに

「取り上げている問題、解決方法が"理屈"で考えており、"思想、感情"に接地していない」

というものがある。具体例で言えば

「で、お前はどう思うんだ?これが本当にいいと思っているのか?」

と聞きたくなるやつだ。そうした質問を発したとして、一番いらつく返答は

「こうした先行研究があり、このようなロジックを用いていますので」

と説明が始まる場合である。

12月に出席したWISS2012, WI2研究会を思い返しても、心に残っている研究というのはそれを行なっている人の考え、気持ち、「未来はこうあるべきだ」という意志に共感したものが多い。
-----------------------

もう一箇所引用。

違う例でいうと、最近のハリウッドの映画とか見てると、
その多くは、つくり手の実感ではなくて、
流行ったものを寄せ集めて詰め込んでるので、
まったく共感できないわけですよ(笑)。

via: ゲーム機の電源を入れてもらうために。 - ほぼ日刊イトイ新聞

これを読んで思い出したのは、スターウォーズ4/5/6と1/2/3の差異である。

ジョージルーカスはどこかで「こんなすごい物語を語りたい。古典的かもしれないが、俺は之が一番いいと思っている」という気持ちを失ったのだと思う。

4/5/6に世界中が熱狂したのは、それが世界の人たちの心に触れる物語-単純で古典的であっても-だったからだ。そして1/2/3は「流行ったものの寄せ集め」でしかない。

あるいはロバート・ゼメキスもその「暗黒面」に落ちたのかもしれない。(最新作で少し復活したようだが)3DCGで人の顔を作ることに熱狂していた頃の作品は、フォレスト・ガンプと同じ人間が作ったとはとても思えない。

すっごい雑にいうと、いまは、
すべて世の中「共感」やっていうのが、
ぼくの結論みたいなもので。

そう、共感。
つくり手に共感することもあれば、
シチュエーションに共感することもあって、
いろんな共感があると思うんですけど、
それがあるからこそ、入っていけるんですよね。

via: ゲーム機の電源を入れてもらうために。 - ほぼ日刊イトイ新聞

この言葉の重みはもっと広く、深く伝えられるべきだと思う。