WI2研究会にでたよ&WISS2012に行ったよPart5

2012-12-17 07:32

というわけで先週の金曜日からWI2研究会に行ってきた。

というわけで例によってずれた感想を書いてみたい。

プレゼンテーションと連動したモバイル型レスポンスシステムの開発

これには驚いた。何が驚いたといって、WISSで数年前から実用化されているチャットシステムとか聴衆の反応を得るシステムそのものを「これから作ります」といっていたから。

WISSの面白いところは、論文とか研究にはなりにくくても「必要なシステム」がどんどん提案され実際に使われるところだと改めて認識した。

しかしじゃあWISSがカバーしてる範囲に抜けがないかと言えばそういうわけではない。

WI2の講演中何度も

「これ何時までですか?」

と講演者が聞く場面があった。つまりそもそも自分の持ち時間が何分か、どれくらいオーバーしているかとか全く認識していないのである。

それ自体かなり驚くべきことだが、それはここでいいたことの主眼ではない。こういう研究会というものは日本に限っても数限りなく運用されているにもかかわらず

「時間管理を行うシステム」

が座長タイマーと呼ばれる「予め設定した時間に音をだす」アプリで長年停止していることが驚きだと言いたいのだ。

これは「そうした研究会で議論されている内容」と考え合わせると実に皮肉な印象を受けざるをえない。ユーザビリティがどうの、情報可視化がどうの、情報共有がどうのとか声高に議論しているわりには、自分たちの研究発表の時間管理すら旧態依然としたシステムで行なっているのだ。

ということをTwitterで書いたら、さっそくWI2の委員長から返答があり

ありがとうございます!ぜひ,そういうシステムを作って,持ち込んでください!!

via: Twitter / hijip: @grgr56 ありがとうございます!ぜひ,そういう ...

というわけでいつものことながら「何かを指さしている時には、残りの3本指が指しているものに注意」というやつである。

日曜日に頭の中であれこれ考えたのだが、これって結構面白い課題だなと思う。

・聴衆・発表者・座長(場を仕切る人)にそもそものスケジュールと現在何時か、残りはどれくらいかを知らせることができなくてはならない。外部からも見られると、「途中から参加する」人が「今行けば何が聞けるか」を知ることができて便利。

・ということは多分Webアプリ+iPadアプリとかそんなのになるんだろうなあ。HTML5でがんばるとか

・時間がオーバーした場合に、全体をスライドさせるのか、あるいは途中を短くするか、あるいは全体を短くするかなど設定できなくてはならない。

・主催者からのアナウンスを貼り付けられる用にするととてもいいのではなかろうか。

ということを考え始めると、これは「実用」であって「研究」にはならんか、と思う。委員長のコメントを読もう。

そういうシステム作るのは簡単だと思うんだけど,技術的に乗り越える壁や,共有に社会的特徴とかがあると良いんですけどね

via: Twitter / hijip: @grgr56 実は,座長タイマー動かしていませんで ...

------------
研究成果の実用化、事業化という点についてはWISSでも時間をとってセッションがあった。

しかしそう大上段に構えなくても、こういうところからもその問題につて考えることはできると思う。つまりこういうシステムがあれば、誰もが喜ぶことはわかっている。しかし

事業という観点からは
・ビジネスモデルはどうするんだ?収益の予想は?

という難癖をつけられ

研究という観点からは
・新規性は?有効性の評価は?

という関門がつきつけられる。結局誰も手をださず「座長タイマー」が使い続けられる、、というのは一歩引いた観点からみると実に奇妙だ。

--------------

来年の事を言うと鬼が笑うと言う。今の自分の状況を省みみれば、来年のWISSを語ると鬼が笑い死ぬことになるだろう。

さてどうしたものかね。