先の見えない「すごいデバイス原理主義」
2013-02-22 07:09
昨日Play Station 4の発表があった。
予想どおり、SonyはSonyだった。しばらく復活の目はないのだろう。(もちろんKDDIのような例もあるが)
[ツイート訳: どのゲームもパーティクルレンダリングの技術的デモみたいだね。もしかして、名前もParticleStation 4に変わったんじゃないの?]
via: PS4でSonyは土俵際に立つ, くたびれた戦略と変化への盲目
しかし私は一つの事について書きたい。Sonyはここ数年重症の「すごいデバイス原理主義」に罹患している。それはどのような病か。
「ものすごいデバイスを作れば、すごい使い方を誰かが考えてくれる!」
というものだ。PS3自体その一つの頂点だったし、
2画面を利用したユーザーエクスペリエンスについては、我々が気がつかないようなものをサードパーティーが開発してくれるはずだと期待します。
via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】 Sony Tabletは『ソニーらしさ』を最も表現する製品 ~業務執行役員SVPの鈴木国正氏に、ソニーのタブレット戦略を聞く
誰からも相手にされなかった2画面タブレットなどもその例だ。
多分彼らは「これが問題だ」とは考えていないのだと思う。
積み重ね型でハードウェアを作り込んでいくのではなく、その上で、ユーザーになにをしてもらいたいのか、動くアプリケーションはどんなものになるのか、ユーザーの使い勝手はどうなるのかといったことを先に考えた製品です。
via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】 Sony Tabletは『ソニーらしさ』を最も表現する製品 ~業務執行役員SVPの鈴木国正氏に、ソニーのタブレット戦略を聞く
ほら、我が社だって、ハードのスペックじゃなく、ユーザエクスペリエンスを重視しているんだ、と口では言っている。実態は別だが。
そして昨日のPS4もまさにその例だった。
――その楽しみかたを変えるもののひとつに、タッチパッドが備わったDUALSHOCK 4もあるかと思います。どういった使いかたになるのでしょうか。
via: SCEJ河野弘プレジデントに直撃「PS4でゲームの楽しみかたが変わってくる」【PS Meeting 2013】 - ファミ通.com
河野 可能性をいろいろ追求しているところです。具体的なことは、今後、明らかにしていきます。
要するに、コントローラーに「はやりの」タッチパッドをつけたのだが、使い方は全然考えてません、ということだ。そもそも
「今存在する問題を解決するためには、ゲーム専用機はどうあるべきか」
を考えぬいたWii Uの画面つきコントローラとはえらい違いだ。
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こうした会社では
「言っていることとやっていることの間にどうしようもないギャップが有る」
ことを理解できる知能をもって「いない」ことが幸いになる。組織が持っている文化には所詮勝てない。自分たちが愚かだということに気が付かないほうが人生を幸せにおくれると思う。
PS3の頃は、疑念を持ちつつもインパクトだけはあった。今やそれすらもなくなった。しかしおそらく社内は活気に満ちているのだと思う。